「今日こそ僕がお月様のそばで一番最初に輝くんだ」と
ブルー星が言いました。
「何言ってんだよ、最初にお月様のそばで輝くのは
この僕さ」とグリーン星が言いました。
「これこれ二人ともやめないか」
それを見ていた星の王様が言いました。
「じゃあこうしよう二人とも・・街に灯りがつきだしたら
あいいろのペンキで空の端から端まで
どちらが早く塗りおえるか競争すればよい」と
星の王様が言いました。
「そんなの簡単、もうこの勝負は決まったぞ
僕がこの競争に勝って最初にお月様のそばで輝くんだ」と
ブルー星は自信ありげに言いました。
「いいや、この勝負は僕がもらった」と
グリーン星もまた自信ありげです。
そして、街に灯りがつきはじめました。
星の王様は大声で「よ~し、行け!!」と叫びました。
二人とも、もう必死になって塗り始めました。
あともう少しというところで、グリーン星はころんでしまい
ペンキを雲の下に落としてしまいました。
「しまった!」とグリーン星はガックリと肩を落としています。
「わぁ、やったぞ、全部塗り終えた。これで今夜
お月様のそばで一番最初に輝けるんだ」と
うれしそうにブルー星は言いました。
「お月様が顔をだすまで、少し眠ることにしよう」と
ブルー星は少し疲れた様子です。
そして、お月様が姿を見せました。
「あれ?どうしたことだ、今日は誰もいない」
お月様は泣きだしました。
するとどうでしょう、さっきまであいいろだった空が
灰色になりました。
やっと目がさめたブルー星は空を見てびっくりしました。
「灰色だ・・・それにお月様もいない」
次の日、あんなにまんまるだったお月様が痩せていました。
その日からブルー星は一番星よりもキラキラと輝きました。
「お月様、ごめんなさい、もうお月様を悲しませない」
そして、何日かしてお月様はまたもとのように
まんまるになりました。