プラネッツ鍼灸院笠間

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症例:肩の痛みと背中の痛み

2024-12-16 14:35:29 | 日記

こんにちは。今回は先日来院された方の症状と当院の施術による経過について共有させていただきます。

 

60代後半の男性で、主な症状は右肩を水平方向に深く屈曲する際に痛みが生じることと、左右肩甲骨の内側、背骨付近に重だるい痛みがあるという方でした。背中の痛みは断続的に出たり消えたりする症状で、肩の痛みは4年間程の慢性てきなものだったとのことです。

 

主訴以外の症状を伺うと、腰痛、不整脈、胃酸の逆流などの症状を持ち、胃酸を抑える薬と鎮痛薬を常用されているとのことでした。加えて、手指の関節に変形性関節症様の変形がみられ、指がピリピリ痛むことがあるということです。

 

西洋医学的にみても、不整脈があるので、心臓の働きが低下しているのかと考えられますし、胃酸の逆流からも、胃の働きにも不調があるようです。指の変形性関節症は血液の心拍出・循環機能が低下し、末端に十分な血流が不十分な状態が慢性化すると、徐々に骨の変形に至り、発症すると考えられています。東洋医学の陰陽五行論では、胃は脾と陰陽関係にあり、脾が陰の臓、胃は陽の腑です。心(心臓)は脾の母で相生関係なので、心が弱まると胃腸に影響します。よって、狭心症と胃酸逆流も関係がありそうです。肩甲骨の内側の痛みについても、その場所が心臓の裏側に位置していたので、心機能の低下がその高さの筋の緊張を生み、痛みになっていたと考えられます。

 

以上のように考え、心機能を高めるように、心経の穴(心臓に関わる経絡経穴)を使用し、鍼灸で施術を行いました。使ったツボの場所は、背中(心兪)、手首(神門)、下腹部(関元)でした。

 

施術中の変化としては、まず指先にピリピリするような軽い痛みが生じるようになり、肩の痛みも一時的に動かさなくても痛むようになりました。これは慢性的な症状に対して鍼灸を行うとよくある反応で、身体の血液の流れが変わり始めた証拠です。そのまま施術を続けると、徐々に痛みが引いていき、施術を終えた時には、痛みの具合が5割程度引いたとのことでした。1回目の施術はそこで終わりにし、翌週も来院いただきました。

 

1週間後はまた痛みをいつものように感じる状態に戻っていて、何となく1回目の施術前よりはよくなったような気がするという程度とのことでした。具体的に聞くと、2回目の施術の3日前くらいから、また痛みを感じやすくなっていたようです。このように症状が戻ってきてしまうことは施術のあとよくありますが、施術後約3日間はあまり痛みを感じずに生活できたということだったので、1回目の施術は効果があったと判断しました。そこで、2回目の施術も1回目とほぼ同じように施術を行いました。施術後の状態は1週目同様5割程度症状が引いた様子でした。そこで2回目の施術を終え、また1週間後に来院をしてもらうことにしました。

 

3週目の来院では、施術前から明らかに症状が軽く感じる状態とのことでした。肩の運動時も多少の硬さを感じる程度で、背中の痛みは解消したとのことでした。

 

症例の紹介は以上です。この例では幸い2回の施術で状態が大きく変化しましたが、多くの場合は3回から5回程は継続的に施術を受けていただかないと、慢性的な問題の改善は難しいかもしれません。この症例の方にも、引き続き継続的にご来院いただいています。以上のように、肩、背中の痛みといっても、症状がある部位の周囲の筋を緩めるだけでなく、その原因となっている身体の状態を整えることで症状を抑えられるケースがたくさんあります。鍼灸によって狭心症などの疾病が簡単に治るという話ではありませんが、このケースのように、ある臓腑に関わる不調の兆候が見つかり、その働きにアプローチすることで、日ごろから感じている慢性的な不調や原因不明の症状を軽減・解消できる場合はたくさんあると思います。

 

今回の投稿は以上です。もし、慢性的な不調や痛みなどでお悩みであれば、ぜひ当院にご相談ください。

 

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プラネッツ鍼灸院 笠間

トレーナー佐藤

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高血圧についての考え方

2024-12-14 11:21:02 | 日記

こんにちは。今回は血圧についての考え方についてです。異なる考え方を持っている方もいると思いますし、あくまで個人的な意見ですのでご容赦ください。

 

最近20年以上もの間、脳血管障害は日本人の死因の構成割合において多くの割合を占め、近年は悪性腫瘍(がん)、心疾患(高血圧性を除く)、老衰に次ぐ4番目に多い死因となっています。高血圧症が脳血管障害の原因の一つと考えられているため、高血圧の診断基準値である最高血圧140/最低血圧90mmHg以上になると、降圧剤の服用が検討されるようになります。現在の基準値は2000年か採用されている基準値ですが、1970年代は最高血圧が年齢+90mmHg以上になると高血圧とされていました。1987年には、旧厚労省が180/100mmHgを高血圧の基準と定めました。1970年代の死因の割合で最も多くの割合を占めていたのが脳血管障害でしたので、年々高血圧の基準値を下げていったのでしょう。基準値を下げ、薬を服用することで一定の成果が上がり、近年の脳血管障害の死因に占める割合は4位まで下がりました。ただ、一方で、悪性腫瘍とともに心疾患による死亡者の割合が年々増加しています。心臓も脳血管も当然、循環器系に括ることができますので、血管に起きていた身体の不調が心臓に起こるようになったと考えても良いかもしれません。

 

血圧はなぜ上がるのでしょうか?血圧の役割は何なのでしょうか?血圧とはその名の通り、血管内に流れる血液の圧力です。水道のホースのように狭くなれば血圧は上がりますし、血液成分の割合が変化し粘性が増しても血圧は上がります、血管が硬くなっても血圧は上昇します。我々の身体の血圧を感知している圧受容器は頚部の頸動脈洞と心臓に近いところにある大動脈弓にありますが、これらの圧受容器が血圧の状態を監視し、血圧を上昇させたり、下降させたりします。血圧を上げる必要がある理由は、脳への血液の供給が不足している場合、というのがひとつあります。いうまでもなく、脳は生命を維持するために非常に大切な器官なので、脳に対する血液量が不足していると受容器が感知すれば、身体の働きとして血圧が上昇します。

 

加齢・老化とともに体内の水分の割合が減り、あらゆる組織が硬くなり、血液の粘性も増していきます。つまり、食事や運動を継続し、若々しい身体を維持することができていないと、加齢・老化とともに血圧が上がるのは当然です。そこで血圧を下げる薬を飲んでも、本来必要な脳への血液供給が不十分になるだけでなく、薬によって人為的に血圧を変動させるので、心臓、循環器系の機能低下を招く恐れがあると考えてよいでしょう。

 

左肩の凝り、肩甲骨の間の辺りの原因不明の痛み、動悸などは心臓の機能が低下しているサインかもしれません。もし、これらのサインがあれば、食習慣を見直し、運動部億であれば、適度な運動が必要です。また、頚部や背中をマッサージするだけでなく、鍼灸による施術がおススメです。もし食習慣、運動、鍼灸についての質問があれば、当院にご連絡ください。

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冬の睡眠時の室温と室内の湿度について

2024-12-08 12:38:23 | 日記

こんにちは。

最近はだいぶ気温が下がってきましたね。天気予報では、今週の笠間市の最低気温は-4度だそうで、真冬の気温ですね。私は昨年までカナダのトロントで生活していましたが、トロントでは真冬の朝方の気温は-15から-20度まで下がることがありましたが、そこまで下がると空気が肌に触れると沁みるような痛みを感じました。日本の関東地方でそこまで気温が下がることはないと思いますが、冬は健康に厳しい季節ですね。

さて、今回は冬の睡眠環境、特に室温と湿度についてお話ししたいと思います。人間・哺乳類は恒温動物なので、自らの身体で熱を作ることができます。身体の臓器、機関、組織を機能させるためには、熱・エネルギーが必要です。変温動物は熱を自ら産生することができないので、食事の後、消化するためにバスキング(日光浴)を行ない、必要なエネルギーを賄います。本格的に気温が下がる冬には活動できないため、冬眠して冬を越します。恒温動物は熱を賛成できますが、外気温が低いとき、熱エネルギーを作るための身体の努力量は大きくなり、それだけ身体の負担となります。若く活力が充実している世代ではそれほどの問題になりませんが、年を重ね、体力が落ちていたり、若くても病気などで体力が落ちていたりする場合はその負担が健康に悪影響を及ぼすかもしれません。特に影響を受けるのは免疫力です。身体は体温が下がると免疫力が低下します。例えば、多くのウイルスは熱に弱く、低温を好みます。そのため、ウイルスに感染すると人は高熱を出し、ウイルスを撃退するのですが、冬の室温が低下していると、明け方の冷えで風邪を引く可能性が高まるでしょう。

ということは、冬であっても温かい部屋で寝ることは健康のために非常に重要です。光熱費について考えなくてよいなら、冬の睡眠時の室温は25度から26度の間程度が望ましいといわれています。ただ、現実的に日本の住居環境では難しいと思います。それでも、23度から25度の間には収めてもらうと、明け方に冷えを感じることなく、免疫力低下を防ぐことにもなるでしょう。暖房器具で室温を上げると心配なのは湿度の低下です。人にとって快適な湿度は50から60%と言われていますので、洗濯物を部屋干ししたり、加湿器を使ったりすることにより、睡眠中の湿度もコントロールすると尚良いでしょう。

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