こんにちは。今回は先日来院された方の症状と当院の施術による経過について共有させていただきます。
60代後半の男性で、主な症状は右肩を水平方向に深く屈曲する際に痛みが生じることと、左右肩甲骨の内側、背骨付近に重だるい痛みがあるという方でした。背中の痛みは断続的に出たり消えたりする症状で、肩の痛みは4年間程の慢性てきなものだったとのことです。
主訴以外の症状を伺うと、腰痛、不整脈、胃酸の逆流などの症状を持ち、胃酸を抑える薬と鎮痛薬を常用されているとのことでした。加えて、手指の関節に変形性関節症様の変形がみられ、指がピリピリ痛むことがあるということです。
西洋医学的にみても、不整脈があるので、心臓の働きが低下しているのかと考えられますし、胃酸の逆流からも、胃の働きにも不調があるようです。指の変形性関節症は血液の心拍出・循環機能が低下し、末端に十分な血流が不十分な状態が慢性化すると、徐々に骨の変形に至り、発症すると考えられています。東洋医学の陰陽五行論では、胃は脾と陰陽関係にあり、脾が陰の臓、胃は陽の腑です。心(心臓)は脾の母で相生関係なので、心が弱まると胃腸に影響します。よって、狭心症と胃酸逆流も関係がありそうです。肩甲骨の内側の痛みについても、その場所が心臓の裏側に位置していたので、心機能の低下がその高さの筋の緊張を生み、痛みになっていたと考えられます。
以上のように考え、心機能を高めるように、心経の穴(心臓に関わる経絡経穴)を使用し、鍼灸で施術を行いました。使ったツボの場所は、背中(心兪)、手首(神門)、下腹部(関元)でした。
施術中の変化としては、まず指先にピリピリするような軽い痛みが生じるようになり、肩の痛みも一時的に動かさなくても痛むようになりました。これは慢性的な症状に対して鍼灸を行うとよくある反応で、身体の血液の流れが変わり始めた証拠です。そのまま施術を続けると、徐々に痛みが引いていき、施術を終えた時には、痛みの具合が5割程度引いたとのことでした。1回目の施術はそこで終わりにし、翌週も来院いただきました。
1週間後はまた痛みをいつものように感じる状態に戻っていて、何となく1回目の施術前よりはよくなったような気がするという程度とのことでした。具体的に聞くと、2回目の施術の3日前くらいから、また痛みを感じやすくなっていたようです。このように症状が戻ってきてしまうことは施術のあとよくありますが、施術後約3日間はあまり痛みを感じずに生活できたということだったので、1回目の施術は効果があったと判断しました。そこで、2回目の施術も1回目とほぼ同じように施術を行いました。施術後の状態は1週目同様5割程度症状が引いた様子でした。そこで2回目の施術を終え、また1週間後に来院をしてもらうことにしました。
3週目の来院では、施術前から明らかに症状が軽く感じる状態とのことでした。肩の運動時も多少の硬さを感じる程度で、背中の痛みは解消したとのことでした。
症例の紹介は以上です。この例では幸い2回の施術で状態が大きく変化しましたが、多くの場合は3回から5回程は継続的に施術を受けていただかないと、慢性的な問題の改善は難しいかもしれません。この症例の方にも、引き続き継続的にご来院いただいています。以上のように、肩、背中の痛みといっても、症状がある部位の周囲の筋を緩めるだけでなく、その原因となっている身体の状態を整えることで症状を抑えられるケースがたくさんあります。鍼灸によって狭心症などの疾病が簡単に治るという話ではありませんが、このケースのように、ある臓腑に関わる不調の兆候が見つかり、その働きにアプローチすることで、日ごろから感じている慢性的な不調や原因不明の症状を軽減・解消できる場合はたくさんあると思います。
今回の投稿は以上です。もし、慢性的な不調や痛みなどでお悩みであれば、ぜひ当院にご相談ください。
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プラネッツ鍼灸院 笠間
トレーナー佐藤
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