#お伽噺 新着一覧
楽園-Eの物語-お帰りなさい
フィオーレが突然立ち上がった。フィオーレの長い毛の間に、花を挿して遊んでいたトパーズとオパールがのけぞる。 フィオーレはかまわずドアまで走り、振り向いて吠えた。「どうしたの?」 いぶか
楽園-Eの物語-小龍のキャロ
《腕の良い船頭を乗り継いで夜通し急げば、四日とかからん》 ムンはそう言って、船を手配し...
楽園-Eの物語-龍のいる洞窟
二日後、ルージュサンとセランは、洞窟へと向かっていた。 食べては寝る、を繰り返し、驚...
楽園-Eの物語-目覚め
「おはよう」 目が覚めたルージュサンの前にあったのは、見慣れた顔だった。「いつも僕が起こしてもらってるけど、今回は僕が先だったね」「え...
楽園-Eの物語-『歌い女』の行く方
ムンは山道を駆け下りていた。 もう少しで村に着く。 五日目の朝だった。 昨日の夕方風...
楽園-Eの物語-声の出会い
聞こえてくるのは風の音だけだった。 隠された園から戻ると、セランはずっとルージュの歌...
楽園-Eの物語-神との会話
四日目を迎え、ルージュサンは意識が朦朧としてきた。 不眠不休で食べ物もない。 息継ぎ...
楽園-Eの物語-秘密の園
道は意外と平坦だった。 壁面の内側は、光る苔が覆っている。 セランは手燭であちらこち...
楽園-Eの物語-洞窟の奥には
セランはじっと耳を澄ましていた。けれど、いつまで経っても歌声は届かない。 出口を塞ぐ...
楽園-Eの物語-疚しさの変容
ムンと村長は、耳を澄ましていた。 風向きはお誂え向きだ。 炉を挟んで腰を落ち着けると...
楽園-Eの物語-葛藤
女達が出ていった後、ルージュサンは呼吸を整えた。 心の中で五回、息を薄く平たく吐くよ...