#お伽噺 新着一覧
楽園-Eの物語-衝突
木の靴底が土を蹴る音に、一行は振り向いた。 目に飛び込んだのは、若い女がドレスを閃かせ、全力で走る姿だ。 ルージュサンとセラン、ムンは道を開けたが、避け損ねたオグが女にぶつかり、派手に...
楽園-Eの物語-責任の所在
翌朝は快晴だった。 エクリュ村出身の老夫婦は、息子夫妻と孫を連れて見送りに来た。「何...
楽園-Eの物語-扉の外では
入口から老婦人を押し返すように、オグは店から出た。「何しに来たんだ」 圧し殺した声で、痩せた老婦人に詰め寄る。「あたしは、やっぱり」「ムンも旦那も止めただろう...
楽園-Eの物語-居酒屋
四人が選んだのは、地元で人気の料理店だった。 夜には酒の注文も増え、毎夜賑わいをみせ...
楽園-Eの物語-浴場
砂漠を抜けた町で宿を取ると、四人は二手に別れた。 オグとムンは近所のエクリュ村出身の...
楽園-一問一答 殺した者
《じゃあ、幼名は正式な名ではないのか》《そうです。あくまで呼称です。嫁ぐ前は誰々の何番...
楽園-Eの物語-砂漠の花嫁
薄い衣が風をはらんで、ふわふわ肢体を覆う。 それでも隠しきれないすい、と伸びた立ち姿...
楽園-Eの物語-砂漠の盗賊
その日の午後も又、四人は黙々と歩いていた。 ムンとルージュサンは寝不足の筈だったが、...
楽園-Eの物語-焚き火を挟んで
夜半を過ぎて砂がチリチリと冷えた頃、ルージュサンは起き出して焚き火へと向かった。 砂...
楽園-Eの物語-切り替えスイッチ
日が落ちる頃、四人はテントを二つ張った。 セランが敷物の左右に杭を打つのを見て、オグが首を傾げた。《それは何だ...
楽園-Eの物語-不協和音
砂漠に入ると自然に皆、無口になる。 風は熱く、容赦なく水分を奪っていく。 代わりに運...