地に播かれ女たるをも知らざりけり
合ひ逢はず凍土に播ける種二つ
氷河期が明けたら逢はうといふ約束
道連れもなし犬狼星まで歩く
船出して海図の星の億兆個
夜深く銀河の凍てる音近し
赤に金に降る落葉の終楽章
散るはよし供物と生まれける身にて
二人踊る足跡星の国の地図
雨冷たく夜暗くせめて便り欲し
前の世を忘れ流星に髪濯ぐ