(前篇より続く) 筆者の陶潜(とうせん)は、字(あざな)の陶淵明のほうがよく知られています。日本語で「桃源郷」といえば夢のように美しいユートピアのことで、非日常のなかにある別世
晋(東晋)の太元年間(376~396)のとき、武陵(湖南省常徳県)に川魚を獲ることを生業とする漁夫がいた。ある日、その漁夫が谷川づたいに舟を上らせていくと、どのくらい来たか分か