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NPO法人POSSE(ポッセ) blog

シンポジウム報告

 9月7日にPOSSEの08年アンケート調査報告のシンポジウム「やめる若者/やめない若者 ~やりがいと違法状態のはざまで~」が開催されました。本シンポジウムでは、労働社会学の木下武男教授、若者の人事問題に詳しい城繁幸氏、教育社会学の本田由紀準教授をゲストに迎え、「違法状態への諦念」、「使い捨てからの偽りの出口」、「実質なきやりがい」、といった働く若者を取りまく問題について、議論が行われました。130名を超える方々にご来場いただき、盛況のうちにシンポジウムを行うことができました。


 冒頭に、代表の今野から今年のアンケートの結果報告があり、次いでゲストの方からのコメントを頂きました。
 まず、城さんから、人事の視点からみた若者雇用の状態として、年齢を重ねても昇級していけないなどといった正社員の中でも広がる「使い捨て」の状況や、労働市場の流動性が高まることの意義についてお話し頂きました。
 次に、本田さんから、多くの若者が、低賃金や長時間労働という処遇にもかかわらず、働くことに対して「やりがい」をもっている状況についての分析がなされ、若者雇用をとりまく諸問題について、実態を明らかにするために、より多くの調査が行われるべきとの意見を頂きました。
 そして、木下さんから、「周辺的正社員」という低処遇の正社員が出現していることの指摘、そして、それをアンケート調査によって数値として浮かび上がらせたことの意義が語られ、また、派遣などの非正規雇用において広がる違法状態、ときに暴力までがもちいられるその状況の問題性について、お話し頂きました。

休憩を挟んだ後に、ゲストの方々によるパネルディスカッションが行われました。日本型雇用が崩れ、流動性が高まる労働市場において、企業を超えた横断的な労働市場の形成、社会保障の確立などが必要であるとの議論がなされました。また、そうした健全な就労環境や生活基盤の設備のために、具体的な政策論議や実体解明を行っていくことの必要性と意義が確認され、これからの労働問題を考える上で、非常に示唆に富んだディスカッションになりました。

 アンケートの主な内容は、06年、07年の調査結果とともに、今月号の雑誌『世界』に掲載されてもいます(→http://www.iwanami.co.jp/sekai/)
 また、このシンポジウムにあわせて創刊致しました雑誌『POSSE』に次号にて、本シンポジウムを受けたアンケートの分析結果をご報告する予定です。本年度の調査の概要については、別途、ホームページでご紹介しております(→http://www.npoposse.jp/images/08questionnaire )。 
 POSSEでは、今後も若者雇用をとりまく様々な問題についての実態調査を行って参ります。今後の取り組みにもご期待ください。

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POSSEって何?
私たちPOSSEは、フリーターや学生など若者によるNPOです。
下北沢に事務所を置いて、若者の「働くこと」に関する問題に取り組むとともに
、若者が集まり交流し学ぶ場をつくります。
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NPO法人POSSE
所在地:東京都世田谷区代沢5-32-5シェルボ下北沢301号
TEL:03-5779-1890
FAX:03-5779-1891
E-mail:info@npoposse.jp
HP:http://www.npoposse.jp/
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