NPO法人POSSE(ポッセ) blog

生活保護の医療扶助に自己負担の導入を検討

【生活保護の医療扶助、自己負担導入検討へ】
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111124-OYT1T01060.htm

 生活保護の医療扶助に自己負担を導入することが検討されている。生活保護受給者が戦後最大となり、200万人を突破した衝撃が冷めやらぬ矢先のことである。00年代の構造改革によって雇用の非正規化・劣化が進んだことや、高齢者が増加していることが原因となって生活保護世帯は増加してきた。だが、問題の原因を捉え違えた報道が(半ば意図的に)なされている。

 「まじめに働いても、月10万円ちょっとでは……」と働く気が起きない。ハローワークにも行かず、スロットマシンで遊ぶ日々。「プロになるまで、生活保護のお世話になろうかな」。悪びれることなく言った。(読売新聞、10月12日)http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20111012-OYT8T00809.htm
 200万人突破という事実の裏には全く反対の事実が隠されている。仙台市で復興支援に携わっていて受ける衝撃は、あまりにも震災前から貧困状態であったということ。正社員で月給10万円、年金暮らしで月収2.5万円。こういった生活は震災前から続いていた。生活保護水準の生活をしている人間は200万人をはるかに超えている。不正に受給しているのではなく、不当に低い水準の生活に甘んじている人間が数多くいるのが現実である。

 加えて、生活保護の医療扶助に自己負担を導入することは、単なる生活保護費の削減圧力にとどまらないインパクトを持っている。国民健康保険法の医療保険制度や障害者自立支援法等が国民の医療を保障する制度としてあるが、これらの制度はいずれも適用範囲が限られていることや自己負担が発生することから、医療の最終的な保障は生活保護の医療扶助がおこなっている。生活保護の医療扶助は、いわば医療保障の最後の砦となっている。 最後の砦が崩れれば、医療にアクセスする道を完全に閉ざされる人が増加する。日本は国民に医療を保障しない国になる。

 いま私たちは岐路に立たされている。不正受給バッシングの下で医療保障を捨て去るのか、それとも、不当に低い水準の生活に多くの人々が甘んじている現実を直視して、排除しない社会の構築を目指していくのか。


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NPO法人POSSE(ポッセ)は、社会人や学生のボランティアが集まり、年間400件以上の労働相談を受け、解決のアドバイスをしているNPO法人です。また、そうした相談 から見えてきた問題について、例年500人・3000人規模の調査を実施しています。こうした活動を通じて、若者自身が社会のあり方にコミットすることを 目指します。

なお、NPO法人POSSE(ポッセ)では、調査活動や労働相談、セミナーの企画・運営など、キャンペーンを共に推進していくボランティアスタッフを募集しています。自分の興 味に合わせて能力を発揮できます。また、東日本大震災における被災地支援・復興支援ボランティアも募集致します。今回の震災復興に関心を持ち、取り組んで くださる方のご応募をお待ちしています。少しでも興味のある方は、下記の連絡先までご一報下さい。
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