http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3S2401Z%2024072007&g=E3&d=20070724
政府のジョブカード構想委員会は24日、制度の基本計画を盛り込んだ中間報告を発表した。「ジョブカード」はフリーターや子育てを終えた女性らの求職活動を支援するため、職業訓練を受けた履歴や職業能力をカードに記録する仕組み。2008年度の制度導入に向け、8月にも予備調査をする。
記者会見した森下洋一委員長(松下電器産業相談役)は「人口減少下で経済成長を維持するには人材への投資が大変重要。(職業訓練への参加企業は)圧倒的に中小企業が多くなる」と述べ、中小企業の参加を広く呼びかける考えを明らかにした。中小企業では人手不足が深刻なところが多く、制度を通じて円滑な人材の橋渡しをめざす。
ジョブカードは職業訓練の履歴、職業能力、職歴などを示した文書の総称。フリーターらがどんな職業訓練を受け、どんな能力を身につけたか、訓練先企業の評価などが具体的・客観的にカードに記載される。これを使えば、企業が条件に合うフリーターらを正社員として採用しやすくなると政府はみている。
(コメント)
ジョブカード制度は、昨年から幾度にも渡って政府の若者雇用対策案の目玉として提出されてきたものだ。ここに来て、その内容が具体化してきた。
若者の雇用環境が悪化してきた原因の一つとして、正社員としての雇用が減ったため、会社の中での職業訓練が受けられずに低技能の仕事に滞留する若者が増えたということが指摘されてきた。ジョブカード制度はそうした状況の改善を志向するものであろう。
だが、その内容は極めて不十分だと言わざるを得ない。ジョブカード制度は技能訓練を、あくまで会社の中で行うことを中心に作られており、結局のところ正規-非正規雇用という雇用形態差別による不平等や格差を解消していく政策ではないからだ。この点についてはPOSSEの政策提言である「style3」http://npoposse.jp/style3/を参照。
ハローワークの民営化、まず渋谷と墨田で 厚労相が発表(朝日)2007年07月24日10時52分
ハローワークの職業紹介事業の一部の民間開放について、柳沢厚生労働相は24日の閣議後の記者会見で、東京都内の渋谷と墨田のハローワークで実施すると発表した。関連法の改正後、08年度中の開始を目指す。
民間開放について厚労省は、就職困難者に対するセーフティーネットとして公務員による全国ネットワークでの運営の維持が必要だとしており、官民双方が同じ場所でそれぞれ窓口を開く方式で実施する。失業認定に伴う職業紹介などは官が担うが、基本的には求職者は官民どちらの窓口も選ぶことができる。
まず東京23区内で実施するとし、職員数が100人以上の所を対象に検討していた。開放期間は少なくとも2年以上を予定しているという。
柳沢厚労相は会見で、「官民で窓口を並行して置くので、競争的な仕事ぶりが期待できる。官と民のアプローチの違いが結果にも反映されるのではないか」と述べた。
(コメント)
このところ政財界は声高にハローワーク民営化を叫んでいる。だが、現在のハローワークがどのような実体になっているかはあまり知られていない所だろう。
先日「ガテン系連帯」が調査したところによると、ハローワークの県外派遣(沖縄や北海道)であっせんされて就労した派遣労働者の労働条件が、ことごとく虚偽の内容であるという。
ハローワークの会場を使った説明会であるにもかかわらず、犯罪的な行為が行われているのだ。私はこうした現実のハローワークの姿に、民営化後の姿が重なって見えてならない。
民営化によって職業紹介においても企業利益の最優先が図られるようになれば、最初は問題がおこらないようにつくろっていてもいずれは競争優先の中で、さまざまな手口で働く人の生活を脅かすようなことが起きるのではないだろうか。
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通りすがり
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