ゴスペル歌手マヘリア・ジャクソンが客演した、ブラック・ブラウン・アンド・ベージュ/デューク・エリントン楽団 に収録されていたCome Sundayを聴いたときの驚きは、忘れることができない。
「凄い曲、凄い歌」に違いないと感じた。
ここでのマヘリア・ジャクソンはア・カペラで素晴らしいとしか表現できない名唱をきかせてくれる。あえてゴスペル歌手の彼女を起用したエリントンの意図はわからないが、曲が作られた背景を知らない聴衆をも感動させる力を持つ作品だと思う。
Come Sundayはデューク・エリントンが作詞・作曲し、初演は1943年のアルバム「ブラック・ブラウン・アンド・ベージュ」に収録されている。ジョニー・ホッジスの印象的で名演と言ってよいソロを聴くことができる。
そしてエリントンは58年に再度録音した「ブラック・ブラウン・アンド・ベージュ」ではマヘリア・ジャクソンを起用した。彼女はア・カペラで歌う。決定的名演だと思う。
疑問がある。
何故エリントンは再度レコーディングするときにジョニー・ホッジスではなくゴスペル歌手 マヘリア・ジャクソンを起用しようと考えたのか?
そんなことを考えながら、詞の一節を読み返している。
Up from dawn till sunset
Man work hard all the day
Come Sunday, oh come Sunday
That´s the day
私の独りよがりの想像かもしれないが、アフリカから連れてこられた黒人が、ブラック→ブラウン→ベージュと色が変わっていく、残酷な歴史だ。
だがエリントンはこの作品を通じて、「残酷な歴史ではあるが、我々は新しい文化を生み出した」と言いたかったのかもしれない。
珈琲パウエル 店主
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