最近、エネルギー管理士の試験に合格出来たので電検3種を含めて感想等をまとめてみる。
受験は自己責任でやって下さい。
電気技術者試験センター
省エネルギーセンター
1.電験3種&エネルギー管理士とは(自己責任でやってね)
電験3種(電験3)は電気設備管理に必要な資格。
5000kw未満、50kV未満の設備を管理できる。
エネルギー管理士(エネ管)は省エネ関連の資格。
原油換算で一定以上の消費を行っている事業所等で一定の人員が必要だ。
一時期、ビル管理の仕事をしていて興味があったので受験してなんとか両方とも合格出来た。
それらについてまとめて残しておこうと思う。
2.試験について(自己責任でやってね)
・試験日 エネ管:8月上旬、電験3:9月上旬。 どっちも暑い時期なのでコンディションも重要。
・受験料 エネ管:17000円 、電験3:4850円(ネット)。 エネ管の高額さに引いてしまう。
・試験時間 エネ管:総合&法規80、設備&機器110、電力応用110、電気基礎80、 合計380分
電検3:理論 90、電力 90、機械 90、法規 65、 合計335分
どちらも1日でこの4科目をやるので重労働だが、エネ管の方が45分長い。
・どちらも科目合格制度があり、3年間で4科目合格すればOK。
・合格ライン エネ管:60%、電検3:50~60%で変動。
・エネ管には電気分野と熱分野を選択できる。熱分野の方が簡単と言われるが。
・私の経過だが下記の通り。
平成28年 電検3:理論、電力、機械 合格
平成29年 電検3:法規 合格
平成30年 エネ管 電気分野 合格
3.使った参考書(自己責任でやってね)
・電験3
1年目:実教出版 電験三種 徹底解説テキスト
2年目:電気書院 電験3種過去問題集(通称:電話帳)
完全マスター電験三種受験テキスト 法規(通称:完マス)
・実教出版の参考書を選んだのは職業訓練校の先生から推薦されたから。1年目で3科目取れたので良かったと思う。
内容が適切な量で試験には十分だと思われる。ただし、法規は実際の試験からややずれている気もする。
・電気書院の過去問は1問題1ページにまとまっているので見易い。説明も親切で定番とも言える。
・完マスは電気配線の方法とか公式が丁寧に説明されていて理解を深めるのには良いのだが、
試験に出るかというと必ずしもそうではない。時間に余裕のある人向け。
・まとめると1年目はメイン:実教出版、サブ:電話帳、2年目はメイン:電話帳、サブ:完マス という感じか。
過去問は10年分やるのが理想だが、時間が無い場合は法規のみ10年で他は5年程度でも良い。
過去問をやれば分かるが古い年度程簡単に思える。徐々に難化している。エネ管は難易度の変化は余り感じられない。
・エネ管
1年目:電気書院 エネルギー管理士電気分野模範解答集
・とにかく勉強時間が3か月しか無かったので過去問だけ9年分行った。12年分は出来ず。
電験3で良かったので電気書院のを選択したが、電話帳と違ってこれは限られたスペースに詰め込まれて
いて見難かった。解説は悪く無いが使いにくい。オーム社からも出ているので比べるのをお勧めする。
電験三種 徹底解説テキスト
電験3種過去問題集
完全マスター電験三種受験テキスト 法規
エネルギー管理士電気分野模範解答集
4.勉強方法&アドバイス等(自己責任でやってね)
勉強法は特に大した事はしてないが下記の事を心掛けた。その他アドバイスも書く。
・勉強期間は6か月位は確保した方が良いと思われる。私は電験3の1年目とエネ管は3か月しか出来なかったので
やや勉強不足気味だった。特にエネ管は問題が多いので勉強時間もかかる。
・問題と解答をPDF化して素早く見られるようにした。そこまでやらなくても本を解体して勉強するのはお勧め。
・どちらも過去問をやるのが重要。特にエネ管は素直な問題が出るので凡ミスをしなければ解ける。
・電験3は似ているがひねった問題が出るのでそれを見極められるように落ち着く事。当日のコンディションも重要。
・重要な部分や繰り返し間違えた部分の手書きのまとめを作成して当日に持って行った。
書く事で覚えられるし当日の確認も短時間で出来る。最後の10日間位は毎日それを見て確認。
・電検3は法規が意外と曲者なので過去問はしっかりやる事。電話帳の問題以外に説明も良く読む。
・エネ管の電力応用の選択問題は電気化学と照明を回答した。一応、全部勉強したが
最後の空気調和は難しい上に似た問題が余り出ないので捨てるのもありかと思われる。
それ以外の3つを軽く見てどれを回答するか判断する。
・エネ管のラプラス変換は過去問を解いて覚えた。特に数学の教科書を見直す必要は無いと思う。
・エネ管の電気分野では台車の走行問題が出るが、走行抵抗を考えないという簡単な問題が出た。
熱分野の方が簡単と良く言われているので多少の難易度調整を行っていると思われる。
また、オシロスコープの使用法というのも出た。得意な分野で受けるのが良いかも。
・どちらの試験も暑い時期に1日でやる長丁場なので食べ物/飲み物をちゃんと持って行き、
コンディションを整えておく事。
5.電卓(自己責任でやってね)
どちらの試験も電卓を使用するがこの選択も結構重要だ。私が使用したのはカシオのDF-120GT。
力率や平均電力の計算を一発でやるのが望ましい。私が考えた良いと思われる電卓は下記の通り。
カシオやシャープの電卓なら大丈夫だと思うが、予備の電卓も持って行った方が良い。
例えば
P=4、Q=3の場合の力率計算は
4×= 3×= GT √ ÷÷ 4 = で一発で可能。
100KW:6時間、200KW:8時間、300KW:10時間の平均電力は
100×6= 200×8= 300×10= GT ÷24=
(必須)
・√(ルート)がある。 (力率計算で必須)
・M+、M-、MR、MCがある。(平均電力計算で必須)
・+/-がある。 (力率関連の計算で便利)
・太陽電池と内蔵電池のツインパワー。
(望ましい)
・12桁表示。
・GTがある。 (力率、平均電力計算で便利)
・00がある。 (大きな数の入力に便利)
・上に+-×÷、GT、M等の途中経過表示がある(無いとド忘れする事がある)
・キーの並びが素直。 (=の位置が中途半端だと使いにくい)
・表示、キーがある程度大きい。
・x=(2乗)が使える。 (力率計算に便利)
・÷÷(1/X)が使える。(力率計算に便利)
左側がカシオのDF-120GT
6.全体的な感想(自己責任でやってね)
個人的に思った事をまとめたが参考になれば幸いです。
私の場合実務経験が余り無いので悲しい事にこれを取っても良い事は無いのだが
ビル管理の仕事をやっている人はキャリアに良い影響があると思われるので頑張って下さい。
どちらの試験も簡単では無いがしっかり準備をすれば合格も不可能では無いと思います。