前編のつづきです。
亡くなられたママさんから
『 もしかしたらトラはエイズに感染してるかもしれない。。』 と
聞いたことがありました。
若いころ脱走して野良猫とケンカをした事があったのです。
感染の有無を確認しなければ
華子さんと一緒にするわけにはいきません。
華子ママさんに事情をはなし
検査の為にトラさんちに直行しました。
もらい手が見つかったことを妹さんに報告。
明日の保健所の件は キャンセルしてくださいと伝えると
半信半疑のようでした。
おうちに上がると
トラさんはお気に入りのお布団に。
名前を呼ぶと、ゆっくり顔をあげました。
もう大丈夫よって頭なでて抱っこして
青いキャリーケースにいれました。
トラさんが何も抵抗しなかったので
ご親戚のかたはとても驚いてありました。
私がくるまで、シャーシャーフーフーいって
手が出せなかったそうです。
こんな凶暴な猫は見たことないって。
確かにトラさんは気は強いです。
でも、むやみやたらにシャーシャー言う子ではありません。
そのへんは わきまえてる猫です。
天国のママさんから
私を呼ぶように言われたのでしょう。
あの時抵抗してなかったら
トラさんはこの世にいません。
私も理由を知らないままでお別れでした。
夕方から仕事があるし時間がない。
トラさんをつれて急いで動物病院へ。
獣医さんに理由を説明して血液検査をしてもらいました。
結果。
FIV(猫エイズ) +陽性
先生は気を使ってくださったのか
猫同士のケンカがなければ
一緒の食器やトイレを使っても大丈夫だし
キャリアをもってるだけで発症はないと
おっしゃってくださいました。
でも、トラさんと華子さんがケンカしないという保証はどこにもありません。
エイズが陽性だったことを華子ママさんに伝えました。
『 それでもいいから引き取ります 』。。って
『 もし華子と折りあいが悪ければトラさんに専用ルームを造りますから 』。。って
トラさん専用ルームって。。。
もう 感謝の言葉もありませんでした。
その当時
華子パパさんもママさんもお忙しくて
今すぐには引き取れないとのことでした。
引き取ってしばらくは
しっかり様子を見て傷ついてるトラさんをケアしたいので
余裕ができるまで待ってくださいとの事でした。
私もそのほうが安心です。
トラさんのムコ入りは半月後にきまりました。
初七日が終わり
ご親戚の方が帰られてから
トラさんの このお家での最終シッティングがはじまりました。
朝と夜の2回。
普通なら飼い主さんの帰りを待つお留守番ですが
もうママは帰ってきません。
玄関にすわって扉をみつめるトラさんの後姿。
こんな悲しいお留守番があるのかと...。
どうやってお世話したらいいか分かりませんでした。
いつもは自信があって堂々としてるトラさんが
とても小さくみえました。
ある日
以前は閉まってた2階の部屋があいてて
その部屋にトラさんが入っていくのが見えました。
あとを追い、そーっと入ってみると
そこはママさんのお部屋でした。
ご親戚の方が開けてくださってたのでしょうか。
トラさんは
ママさんのベッドですごす時間が長くなりました。
ママさんが亡くなったこと。
これから行くお家のこと。
新しいパパとママのこと。
華子さんのこと。
トラさんのかかえる病気のこと。
毎日はなしました。
動物にだって知る権利はあります。
ムコ入りまでの半月間。
トラさんに心の準備をさせる時間ができました。
でもたまに なにも話したくない日もあって
二人でボサーッと座ってたり。
トラさんにも私にも長い長い半月でした。
それと、トラさんには
エイズのほかにも問題があったのです。
頭をかかえる大問題が。
。。。トイレができない。。。
トラさんは昔、尿道結石にかかり
オシッコが詰まって とても辛い思いをしました。
なので、トイレに入るとお腹が痛かったことを思いだし
オシッコができなくなってしまったのです。
ウンチはトイレでできるのですが
オシッコは玄関のたたきで垂れ流し状態
毎日、バケツのお水で玄関を流してお掃除してたのです。
どんなにお掃除してもニオイは消えず...。
このままではイカン。
トイレできないままムコ入りはさせられない。
一か八か
トイレを玄関に移動。
ここでオシッコしてくださいと
トラさんに何度も頼みました。
猫に土下座した人間もそういないでしょう。
設置二日後。
トイレにオシッコの跡がありました。
もー!
やればできるやん
トイレ問題は とりあえず。
とりあえずクリア。
でもね。。
私の心配はつきません。
トラと華子。
この両者を知るのは私だけ。
この二人が一緒に暮らすなど
冗談でもありえない話しだったのです。
華子さんは その辺の番犬なんか蹴散らすレベルのセコム猫。
プライドは果てしなく高く
蝶よ花よの お嬢様育ち。
私が今まで見てきた猫で最強でした。
かたやトラさんは
ベビーフェイスの頑固じじい。(ど天然)
この二人
絶対まぜるな超危険!
あ~。胃が痛い
万が一
トラさんが華子さんに噛みつけばエイズが感染してしまうのです。
キャリア保持の元気な猫は強力なウイルスを持っています。
エイズワクチンもありますが
ぶっちゃけ、強力なウイルスには効かないのです。
華子さんへの説得はパパさんとママさんにお願いし
トラさんには私が。
もうこれしか出来ませんでした。
~ムコ入り当日の朝~
亡くなったママさんのお骨のある仏間は閉まってたので
仏間の前の廊下にトラさんと並んで座りました。
これからのトラさんを どうぞ見守ってください。
二人でお祈りして出発しました。
トラさんのお顔が見えるように助手席にキャリーを固定。
不安そうな目でチラチラ見るトラさん。
大丈夫大丈夫。
うまくいくさ。
トラさんと自分に言い聞かせながら。
お気に入りのお布団
バスタオル
爪とぎ
食器にフード
同じ型の新しいトイレに 今まで使ってた砂。
ネコバスも持ってムコ入りしました。
こちらを参照。
ムコ入り当日、お外を眺めてたトラさん。
この時、お庭に犬がいることを知りませんでした。
窓ごしにデッカイ犬があらわれ
驚いたトラさんは出窓から落ちそうに。
それを助けようとしたママさんの腕に噛みついてしまったのです。
爪&キバ
病院行かなくちゃ ぐらいのマジ噛みでした。
でも、ママさんはまったく動じずにトラさんを離した後
すぐ洗浄して消毒されました。
普通なら大慌てするところですが冷静に対処。
そばで見てたわたしのほうが青くなってたし
ママさんスゴイっす
トラさんを脅かした犯人たち↓
怪獣三兄弟。 左から桃子、タロウ、クロねぇさん。
このお三方は、いつも何かやらかします
3か月ぐらいは猫用ゲージで様子を見ましょう。
って話しでしたが、初日からお部屋を散策したり
自由きままなトラさん。
華子さんは相当怒ってましたが
最初からフリーでいきました。
毎日話してたので腹をくくったのでしょうか。
思ってたよりスムーズに溶けこみました。
心配してたトイレ問題も
初日の夜にウンチとオシッコできるように。
夜中に電話もらってバンザイでした。
トラさんは トイレを使えるようになったのです。
トラと華子。
今この二人が一緒にお留守番してるなんて
私からみると奇跡なんです。
全然オーバーじゃないです!
今じゃトラさんはママのストーカー。
ひっつきまっつき ママ命
華子さんとも仲良しとは言えないまでも
まぁ楽しくやってるみたいです
トラさんも華子さんも宝物のように可愛がられてます。
パパさんとママさんには感謝してもしきれません。
トラさんをうけいれてくれた?華子さんにも感謝です
保健所の電話があった日。
色んなタイミングがトラさんの命をつなげました。
何かひとつ順番が違ったらダメでした。
これは想像ですが
亡くなられたママさんは薄れゆく意識の中で
ひとり残されたトラさんのことを心配しながら亡くなられたと思います。
ペットより早くこの世から旅立つということは
ないとは言えません。
体調不良や引っ越しや災害で飼えなくなることだってあるんです。
トラさんは運よく命を助けてもらいましたが
現実は悲しいことばかりです。
もしペットがひとり残されたとして。
みなさん、任せられるご家族、ご親戚、ご友人はいらっしゃいますか?
そういう話はあまりされないでしょう。
でも実際、いろんなところでおこってる話しなんです。
今からペットを飼おうと思われてるかた。
可愛いとか可哀相とか、一時的な感情で動かないでください。
ご自分の生活パターンにペットがついてこれるか。
ちょっとでいいので、飼われたあとの事を想像してみてください。
今飼われてある方も
万が一の時のことを話し合われてください。
万が一。
このことは 本来飼う前にきめなければならない事なのです。
飼わないことが愛情だということもあるんです。
私たちにはこの子たちを守る責任があります。
この出来事があってから
動物を見る目線がかわりました。
仕事のやり方もかわりました。
トラさん華子さんからたくさんのことを教えてもらいました。
心をこめて話せば 動物にも言葉や思いは通じます。
トラさんと過ごした半月。
辛かったですが大事な大事な思い出です。
華トラパパさんママさん。
これからもトラさんをよろしくお願いいたします。
亡くなられたママさんも天国で喜んでくれてるといいなぁ
長々と読んでいただいてどうもありがとうございました
亡くなられたママさんが作ってくれてたアルバム。
ちびっこトラさん可愛いなぁ
緑の首輪がよく似合ってます
MAX 太ってたころw
この写真。
初めて見たとき吹きました
? どうしたトラさん
ふむなーっ
トラさん。 頑固じじいでいいからさ。
元気で長生きしておくれ。
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3月は忙しくなります。
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強い運を持つトラさん!涙なしでは語れない事実。感動しました。
我が家の5匹もご縁があって来たトラ猫たちです。(茶トラ4、キジトラ1)。私が死んだら娘が引き継ぎます。
私の名前が純子で、娘の名前が華子。ご縁を感じます。
いつも楽しく拝見しています。
トラさん、本当に強運ですね。
里親さんになってくださったパパさんママさんの優しいお気持ち、嬉しいです。
華子さんも度量がありますね。
トラさんの事、宜しくです。
元飼い主様のご冥福をお祈りいたします。
そしてRunさん、色々動いて貰ってお疲れ様でした。
我が家野良のママの子、14歳のおばあちゃん猫が居ます。
結婚して独立した我が家の子供達も皆猫ちゃんがいます。
私達夫婦に何か有っても、大丈夫です。
まったく懐かない外猫ちゃんも1匹居ます。
ご飯は毎日食べに来ています。
ブログ読んでくださってありがとうございました。
五匹の猫ちゃんの写真見ましたよ。
可愛いですね(≧∇≦)
大事にされてあるのがよく分かります。
またお時間ある時にポチっと遊びにきててくださいね( ^_^)/
ブログ見てくださってありがとうございます(^_^)
皆さんのコメント拝見してると、とても幸せな気持ちになります。
近々、トラさんと華子さんに会うので皆さんのコメントを読んで聞かせてあげようと思います(笑)
ネコが教えてくれたことを読んで、涙が止まりませんでした。平成25年12月27日に大分に転居してから、いつもrunさんにウランがお世話になった時のことを思い出しています。私が25年10月に病気で入院して妻が病院に出かける時にrunさんが幸運にも近くにいてくれたお陰で安心してウランをみていただき、妻も私もウランも危機を乗り越えられました。本当に感謝しています。この世の中って愛がいっぱいなんですよね。ウランは私が病気をするのと前後してかなり危ない病状になつていましたが、今は元気に12才を3月23日に迎えます。このネコちゃんも幸せに長生きしてくれることを願ってやみません。runさん愛をありがとうございました。ウランパパ
コメントいただいてとても嬉しいです
お元気そうで安心しました
ウランちゃんも12歳なんですね。
早いなぁ
お留守番中膝で寝てたウランちゃんが懐かしいです(笑)
この仕事をしてると色んな事に遭遇します。
ペットシッターって楽しそうな仕事にみられますが、それだけではありません。
すべてのペットが大好きな飼い主さんと幸せな生活が送れるよう祈るばかりです。
ウランちゃんは優しいパパとママに大事にされて幸せなワンコです
またお会いできる日を楽しみにしております