《アロマテラピーサロン・ピュアティ》purity diary

アロマルームのできごと、好きなこと、日々のあれこれをココロのままに綴ってます♪
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幽霊人命救助隊

2008-12-09 01:00:36 | 読書
オモシロイ本だった~。

☆ ☆ ☆ ☆

浪人生の主人公が奇妙な断崖の上で3人(元ヤクザ、気弱なサラリーマン、アンニュイな若い女性)と出逢うシーンから始まり、そこへ神が現れた。天国へ行く条件に『自殺志願者100名を49日以内に救え!』と神から命令される。

そう、この4人は自殺者で天国とこの世の狭間で立ち往生していたの。

そしてオレンジのレスキュー服と様々なレスキューアイテムをひっさげ、新宿の街へ繰りだした。

自殺志願者の状況を赤は危険 黄は要注意 青は今はまだ安全と人を見極めるための色を決め、ゴーグルをつけると自殺する人の姿がブレて見える。黄や青がいきなり赤に変わったり、一瞬にして気持ちが移り変わるので、いつも緊張感を持って行動せねばならない。4人は、その救助対象者にヒョウイして心の中をモニターする役目と、そのモニターを参考しながら応援する役目にわかれて大活躍するの。

鬱病の人だったら、精神科や心療内科へ誘導したりも。

この日本、自殺志願者のなんと多いことか!!次から次へと現れて、この4人もなぜ自分が自殺しなければならなかったのか、向き合わざるおえなくて、自分が死んだあとの家族の姿も見るハメになる。

自殺したことの後悔 無念 命の尊さ 戻れるものなら、この世界に戻ってやり直したい。。という思いも。

天国に行くための救助が、いつしか『天国に行かなくても良いから、ここで、ひとりでも多くのひとを助けたい』そんな思いに変化していく。

マジメで完璧主義な人が鬱になりやすい傾向を見抜き『まずは休め!!好きなことをしろっ』『そんな会社やめちまえ』とか耳もとで怒鳴りまくる元ヤクザ救助隊

さみしい一人暮らしの老人が、首つり自殺を考えてスーパーで買い物をしてると、馴染みのレジのおばさんに『優しいコトバをかけてあげてください』『この人は誰かと話たいのです。でも寂しいからこそ自分で話かけることができないんです』と救助隊がお願いしたり。。。

ユーモアもたくさんちりばめてあって、自殺志願者の胸の内がものすごくリアルに書かれていて、かなりリサーチをしたのだろうな~と思う。

もしかしたら、本当にこんな『幽霊人命救助隊』がいるかもしれない!!だって、フトしたときにアイディアが浮かんだり、突然、誰かのやさしい言葉に立ち止まったり、突破口が見つかったり。。。誰でも経験してると思うんだ。

やっぱり神様からもらった命は、いかなる理由でも最後まで全うしなければならなくて、なにも『なにか立派なこと』をしなくても、『こんな自分生きる意味がない』と思っても、ここに、ただ生き続けることが最も立派な『偉業』なんだよって。

なので、たったひとつの失敗なんて、屁のかっぱ~って所です。他にも道があるし、他にも安心して歩める人生があるし、困ったことがあれば、相談にのってくれる『場所』もある。『絶体絶命』でも手を差し伸べてくれる人や、気持ちをわかってくれる人もぜったいいるとのこと。なにかを失っても、全てを失ったわけではないから、また歩みだせばいーんだよって。

心を柔軟に、『適当』がいいみたい(笑)←誤解を招くかな。。

☆ ☆ ☆ ☆

ホントに読み始めたら止まらなかった。涙と笑いの『救助大作戦』に心があったかくなったよ~。

幽霊人命救助隊 (文春文庫)
高野 和明
文藝春秋

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