１月２４日Ⅱ

特別な１日も　後わずか

４９年前の　この日

私はまだ終わっていなかった

武道館のコンサート　終わり

涙を拭き拭き

電車に乗ったんです

九段下から　目指すは　中目黒

そう　Peeの住むマンション目がけて

ためらいなんて　微塵もなく

帰ってくると信じて　疑う事もせず

興奮してたんだか　悲壮感だったんだか

全く覚えてません

只々Peeのマンション目がけて電車に乗ったの

寒空の下待ってマシタ

帰ってくるもんだと信じてたから

どのくらいの時間　マンションの下に居たのかな

忘れました

途方もなく長い時間だった様な・・・

短い時間だったかもしれません

時効だと思うから　やっちゃいけないのは判ってて

夢中で　Peeの部屋の前まで

玄関ドァの前まで　行ってました

階段使ったのか　エレベーター使ったのか

それも覚えてません

そして

そっと　人差し指で　郵便受けを　押してみた

中から　冷たい風が　ヒュー　っと　噴いてきました

冷たい風が　冷たいほほに　当たりました

中が無人だと

しかも　空っぽだと　気が付きました

そのほほに当たった冷たい風が

Peeはもうここにはいないよ

Peeはここには帰ってこないよ

教えてくれました

それから　どうやって　家に帰ってきたのか

覚えてません

スッポリ記憶が消えてます

Peeは　どこに行ったんだろ～

暫く　抜け殻の様に　Peeを想い

どこに行ったんだろ　Pee

考える事は　それだけで

他に　思考の余地はありませんでした

いつまで　そんな抜け殻状態だったんでしょうか

４９年前の　長い１日　でした

忘れられない　Peeが居なくなった１日の終わり

１月２４日

ありがとう


森本タローとスーパースター『ロンググッバイ』