PRESSMAN GOGO

オートバイスポーツ、トライアルを中心にディレクター生野涼介が日々の気がついた事、取材した時の思いなど、日常のブログです。

カタロニア

2008-11-22 23:31:17 | トライアル
もてぎのエントリーリスト見るとスペイン人だらけで、日本人がいなければ、こりゃもう世界選手権じゃなくてスペイン国内大会では?と思ったことがあります。
でもスペイン大会でも事情は同じでした。

今年のスペイン大会はバルセロナの少し北で開催されましたが、事前のインタビューでは、ラガもボウも「ここは地元だ」と語っています。実際ボウの家はこの会場から車で5分くらいのところにあるそうな。
カベスタニーの家もバルセロナの隣だし、こりゃもう世界選手権スペイン大会というより、バルセロナ町内大会です。

バルセロナはスペインの中でもカタロニア地方として独自の文化圏を作っているところ。
フランコ独裁に対抗して一時独自政府が作られたり、その前もマドリードとは一線を画した歴史を紡いできました。

9月の終わりはバルセロナ最大のお祭り、メルセ祭の真っ最中で、市内の大通りにはこのカタロニア文化を色濃く出した出店やパフォーマンスがあふれています。
僕はトライアルの取材で見られなかったけど、有名なのは巨大な張りぼて人形の行進とか花火とか、人間の塔とか。

写真はボウの優勝とタイトル獲得を祝ってスペイン大会の表彰式に現れた。人間の塔です。赤と黄色の旗はカタロニアの象徴。
かつてカタロニアの英雄が瀕死で城にたどり着いて、黄色い門に手をついて指で血の跡をつけた伝説に由来する、と、バイクトライアルの平野さんに教えてもらったことがあります。
表彰式ではスペイン国歌は早々に切り上げられ、カタロニアを讃える歌が流れます & 観客が歌いまくります。藤波が4位に終わった事もあり、表彰台の地元ライダー万々歳というわけ。
僕はメルセ祭りで見られなかった人間の塔を目にすることが出来て個人的にはよかったけど、思い返すと「あれは本当に世界選手権だったのかなあ?」と、ちょっとはてなマーク。

でもタレス、ラガ、ボウ、ライア・サンツら現代トライアルの英雄を生み出しているカタロニアは、芸術面でもミロ、ピカソ、ダリ、ガウディ、カザルスなんていう、彼らがいなければ現代芸術はあり得ないというほどの大巨匠が顔をそろえています。
カタロニアってとてつもなくすごい文化圏なんだな、ということなのでしょうね。

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