「黄金世代」「プラチナ世代」といわれる若手た
ちが活躍している女子プロゴルフ界。最近でも、
畑岡奈紗が海外ツアー優勝稲見萌寧が東京オリ
ンピックで銀メダル試合数も男子の24試合に対
して36試合。賞金総額でも今や男子ツアーを上回
り、動員するギャラリー数に至っては男子の3倍
にも上るという
女子ゴルフ界の躍進といえばそれまでだが、ゴル
フ場運営会社に勤務経験のあるトーマスとしては
で、その原因について考察してみた
《その1.ファンサービス精神の欠如》
プロゴルファーは人気商売。タレントやお笑い芸
人同様ファンがいてこそ成り立つ職業(のはず)。
海外に目を向けると、PGAツアーではファンから
のサインの依頼、それも最後の一人まで応えるな
どファンサービスが徹底している。ゴルフ界のレ
ジェンドゲイリープレーヤーは、「サインをする
のが嫌ならプロゴルファーをやめたほうがいい」
と言い放つほど
一方日本では、ファンからの声援を無視したり面
倒くさそうにサインに応じるなどファンサービス
をないがしろにするプロもまだまだ多い
2018年のプロアマ戦でのS・Kプロの振る舞いはそ
の最たるもの。スポンサー企業が賓客を招いて行
われるプロアマ戦。ゲストにとっては、プロのプ
レイを間近に見れ、かつラウンド中打ち方やコー
スマネジメントに関するプチレッスンを受けられ
るめったにないチャンス。スポンサー企業にとっ
ては、自社を要人にアピールする絶好の機会。
(プロが)おもてなしに徹する→ゲストの満足度
向上→スポンサーの満足度向上→スポンサー契約
の継続。その結果出場できる試合が増え、自分自
身の収入アップにつながる…。
この図式がわかっていれば、当然、出場プロ達は
この日ばかりはホスト・ホステスに徹するはず。
S・Kプロが同組でプレイしていたゲストのお
もてなしより本戦に向けた自分自身の調整を優先
したことに腹を立ててプレイを中断して帰ってし
まったこのケース
「そんなつもりじゃなかった」という本人の弁も
相手(ゲスト)がそう感じた以上どうしようもな
い。ツアーの優勝経験豊富なトッププロですらこ
《その2,見たい!と思える試合がない》
はっきり言って、最近の日本男子ツアー「面白く
ない」松山英樹のマスターズ優勝で、一瞬盛り
上がったけど、正直松山英樹以外海外で戦える選
手はごくわずか国内ツアーに関しても(今年で
こそコロナ禍で海外選手がいないが)上位に海外
選手が名を連ね、実力があり華のある日本のス
ター選手は石川遼プロ以外数えるほどしかいな
いその石川遼プロもアメリカツアー参戦に再
チャレンジし日本ツアーを離れるという…。
ツアー上位者の名前を見て「誰?」。
顔を見ても「…」というプロも多い。
それに比べて女子プロ界は、海外ツアーでも上
位に名を連ねる。しかもサービス精神もバッチ
リ
女子プロ業界も何の努力もせず現在の状況
に至ったのではない。2011年に協会の会長に
就任した小林浩美が、「世界で戦える選手を育
成する」を目標に掲げ、
①「4日間競技の数を増やす」
②「下部ツアーであるステップアップツアーを
強化する」
に取り組んできた努力の賜物
同時に選手たちに対する意識改革にも積極的に
取り組み、オフィシャルスポンサーである資生
堂による新人研修での化粧指導や日本女子プロ
選手権の裏方体験。パーティマナー、礼儀、言
葉遣いに関しても専門家を招いて指導を重ね、
自分達がプレイできるのはスポンサーがいてく
れてこそ。自分たちを応援してくれるファンが
いるからこそという意識を徹底的に植え付けた
ことが現在の女子プロゴルフ界の躍進につなが
っている
プロゴルファーたるもの、ゴルフが上手い。た
だの上手いじゃない。むっちゃ上手いのは当た
り前。でも「それだけやん」と思うプロも多い
「こいつ、口の利き方知らんなぁ」とか「礼儀
知らん奴やな」など社会人としての常識がなか
ったり、人間性に?がつくプロも中にはいる。
はたまた、50代でプロゴルファーの肩書を名乗
り、過去の栄光やちっぽけなプライドにとらわ
れて素直に頭を下げられない人もいる
でも、
ただゴルフが上手いだけではなく、
ゴルフが上手くかつ人間性もいい。
ゴルフが上手くかつ礼儀も正しい。
そういう人じゃないと、息の長いプロとして支
持され、周りから必要とされ続けることはない。
島野プロとは食事会などで何度も接している。
その際の礼儀正しく、我々アマチュアゴルファー
の「どうやったらドライバー曲がらへんのん?」
や「アプローチでちゃっくりせえへん方法教え
て!」等にも身振り手振りを交えて熱心に説明し
てくれる姿を見るにつけ、「ええ子やなぁ」と感
心するそして島野プロには日本オープン本戦で
決勝ラウンドに残る実力もある。
あとは結果を出すのみ
「ゴルフが上手いだけの人」ではなく、島野プ
ロのように人間性がよく、かつ実力もある人が
バンッバン結果を出して男子ゴルフ界を盛り上
げていってくれることを切望しているトーマス
<追記>
10月14日(木)から17日(日)私の故郷である
滋賀県の琵琶湖カントリー倶楽部で日本オープン
が開催されました。優勝した南アフリカ出身の
S.ノリスのスコアは-19。通常ツアーならまだ
しもメジャー大会でこのスコアはいかがなもの
か
国内外問わず、メジャーと言われる最高峰のツ
アーは、通常ツアーより数段難しくセッティン
グされる。設営側は、真の実力者にしか攻略で
きないようにセッティングし出場するプロの挑
戦意欲を駆り立てる。一方出場するプロ達は、
自らの技術をフル動員して難コース攻略に挑む。
プロとコースとの攻防を見るのもメジャーなら
ではの楽しみだし、難コースに挑んでこそプロ
の技術は磨かれるとトーマスは思う。
それなのに…。
テレビの出来高や選手からのクレームを気にし
てか?
「甘いんじゃない??セッティング」
こんな状況ではとてもじゃないけど海外ツアー
では戦えない
こんなことを考えながらのテレビ観戦
選手たちに「ここ一番!」の緊張感やバッチバチ
の闘争心を感じないのも当たり前。
思わずチャンネルを変えてしまったのは私だけで
はないはず…。
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