筆者Q・・・お久しぶりです。今年初めてとなります。
更新がないと広告が出てしまうのでとりあえず本日は今の日本の経済、景気についてお聞きします。円安でなぜ株価が上がるのか?とか、それによりなぜ景気が良くなると考えられているのか?とか、いわゆるアベノミクスについてでしょうか、誰にでも解る、子供でも解る様に説明していただくと、どうなるのでしょうか?
Razi・・・まず円安ですが、そもそも世界中に色んなお金があります。そしてお金で別のお金を買うことも出来ます。例えばアメリカ人がドルで日本の円を買う事が出来るのです。
円安は日本のお金(=円)が安く買えるようになったから円安と呼びます。数年前に1ドルで買える日本のお金(=円)が80円分だったのに今は120円分買えるようになったとなると、これが円安です。
筆者Q・・・なるほど、解りやすいと思います。ではなぜ円安になるのでしょう?
Razi・・・ここから少しずつアベノミクスの話になります。
まず、お金を大量に印刷して作ります。日本の中にお金が増えますが、これは役所や政府に直接行くのではなくとりあえず日本銀行に行きます。誰のものというわけではありませんが国民全体のものになります。
国はこれを「必ず利息を付けて返しますから貸してください」と言って借用書(=国債)を日本銀行に渡しお金を借りるのです。この国債は一応誰でも買う事が出来て、買った人や企業や町の銀行は何年か後に利子を付けて返してもらえます。
筆者Q・・・・つまり、この買った人達から国はお金を借りている形になるんですね。
Razi・・・その通りです。買いたい人がたくさんいて世界に1台しかない車には高い値段が付くけれど数百万台あると値段は安くなるように、数10兆円単位で日本円を増やしていく事でその価値も落ちて安くなるわけ(円安)です。
筆者Q・・・・日本のお金の価値は高い方がいい様にも思うのですが、なぜわざわざ安くしたのでしょう?
Razi・・・はい、そこで株の話になるのです。少しややこしいので深呼吸して落ち着いて良く聞いて(読んで)下さい。
先程、日本の円の価値が落ちた、という話をしました。1ドルで80円しか買えなかった円が120円買えるようになった、という事は日本人にとって120万円の貯金は今でも120万円のままですが、外国人からするとどうでしょう?1万ドルで数年前は80万円しか円を買えなかったのに今では120万円買える、という事になるのです。これは円に関してだけではなく日本のモノや株を買う場合も同じですよね?
(逆に日本人の貯蓄は世界の中で考えると、120万円の貯金が80万円まで価値が落ちた事になるのです)
筆者Q・・・・爆買いはこれに支えられているわけですか。日本円、日本のモノや株が自動的に3割引き状態ということですね。いい話に聞こえてきませんが、、、、
Razi・・・その通りですね、株の話に戻るとして、基本的に株はたくさん売れれば売れる程価値(価格)が上がっていく傾向があります。日本の企業の株が世界的にみれば3割引き状態(大安売り)なのでたくさん売れます➡たくさん売れると価値(株価そのもの)も上がります➡上がる事が分かっているので益々買う人が増えます➡外国の株の持ち主(株主)も日本の株主も株価が上がって儲かります。
つまり企業の本当の価値や業績に関係なく円安により株価だけは上がっていくわけです。
筆者Q・・・・なるほど、円安により株価が上がっていく仕組みですね。安倍さんの考えはこれで儲かった株主がお金使うから➡企業、お店が儲かる➡そこで働く人の給料が上がる➡みんなが買い物をしだす➡景気が良くなる、と考えていたわけですね?
Razi・・・ご本人がそうおっしゃっていましたね。それが(トリクルダウン)です。
問題は株で儲けた株主が儲かったお金(アベノミクスの果実)をどうするかですが、彼らは別に生活に困って株式投資をやっているわけではありません、ゆとりがあるからです。そして国が国をあげて例えば国民から預かった年金のための積立金の一部も40%以上株に投資する(GPIF)と決めていますから(一部分の40%)、株で儲かった人達はまだまだ株価は上がると考えて更に株式投資をするのではないでしょうか、買いたいものは何も無いのですから。
筆者Q・・・・大安売り状態の日本で爆買い等で入ってくるお金、株が上がった企業の利益、これは日本にとってプラス。
貧しくなってモノを買う力を落としている国民が増えている上物価だけは上がり続けている状況、これはマイナス。ということですね。
Razi・・・その通りですが円安そのものが日本にとってプラスかマイナスかは何とも言えません、ここで景気の話になります。
(景気がいい)とはどういう状態か? これが人によって解釈が違うようです。私は、貿易黒字(日本がモノを外国から買った金額と色んな商品を外国に売った金額の差がプラスで日本が儲かっている状況)と、内需(個人消費が伸びていて、活性化されている、国内で一般的な国民がモノを買ったりしてお金が動いている)の二つが重要だと考えます。
先程あったようにアベノミクスはこれを円安で株価を吊り上げる事で結果的に実現出来ると考えていたわけです。
筆者Q・・・・3年半は経過しましたが実際はどうなのでしょう、安倍さんは「景気は良くなった」と言っていますが。円安ではなく最終的には景気を良くする事が目標ですから問題はそこですね。
Razi・・・同じ日本に住んでいても人によって景気が良いと感じる人とそうは思わない人もいるという事です。GDPや成長率の話もしたいところですが、これを言い出すと難しくなるので止めときましょう。
筆者Q・・・・ちなみに日本のGDPは2012年まで伸び、その後落ち続け2013年中国の半分、2015年は3分の1位になっています。その一方で海外からの観光客、爆買いで外国人がお金を使ってくれてます。
そういえば(円安になると貿易黒字が増える)と聞いた事があるのですが、なぜ円安なのに黒字が増えなかったのでしょう?
Razi・・・それはいたって簡単な話で、日本の主な企業は海外に工場を作り、お金の出入りは日本国外にあるからです。海外で原材料を買って海外でモノを作って海外でそれを売ってお金を儲けているわけですから、この部分に関しては日本には関係ありませんよね?
企業からの税金を安くすれば国内に戻ってくる、という考えもありますが、何より土地代(家賃)と人件費(給料)が高いので海外に出て行ったのですから今更税金だけで戻ってくる理由にはなりません。
筆者Q・・・・いずれにしてもあちらを立てればこちらが立たずで大変な状況にある事は間違いないようですね。デフレ(モノを安くしてもなかなか売れない状況)も困るが、だからといって景気が更に悪化しては何もならない。
解りやすかったでしょうか、これを見てニュースを見てもらえればと思います、少しは役にたてたかと思います。
ではまた次回に