脳科学研究センター-脳研究の最前線

脳の研究を総合的に行うべく、脳科学総合研究センタが1997年に設立された。

食品添加物の基礎の基礎知識‐食品添加物は「食品」ではない

2024-08-09 14:31:32 | 食の安全
食品は、本来、食べ物(食品原料)からつくられているべきものです。ところが、食品原料だけでは、製造・加工がしにくかったり、保存性や色が悪いなど、業者にとっては都合よくない面が多々あります。そこで使われるようになったのが「食品添加物」です。
食品添加物は「食品の製造の過程において又わは食品の加工若しくは保存の目的で、食品の添加、混和、しつ潤その他の方法によって使用する物」(食品衛生法第4条)と定義されています。つまり、食品と明確に区別されているのです。結局、「食品添加物は「食品」ではない」のです。

人間で安全性は調べられていない

2024-08-08 13:15:44 | 食の安全
「カップラーメンを食べつづけて大丈?」「コンビニのおにぎりや弁当は安全なのだろうか」-こんな不安を感じている人は非常に多いと思います。食品添加物が沢山使われていて、その安全性が疑問視されているからです。
コンビニやスーパー、また、そのほかの店でも、溢れんばかりに加工食品が置かれていますが、ほとんどに多種多様の食品添加物が使われています。しかし、それらは人間で安全性が確認されたものではないのです。
お米や野菜、果物、砂糖、塩などは、これまで人間が長い間食べつづけることによって、その安全性が確認されたものです。しかし、食品添加物はそうではありません。動物実験が行われ、その結果から、人間にも「害はないだろう?」という推定のもとに使われています。
でも、動物実験では、添加物が人間に害をおよぼす微妙な影響はわかりません。例えば、胃部不快感、つまり、食品を食べて、胃が重苦しくなったり、張るように感じたり、気持ちが悪くなったり、痛みを感じたり。こういう添加物によっておこる微妙な症状は動物実験だけではわかりません。
また、吸収された添加物が、アレルギーをおこさないか、ホルモンを攪乱しないかなども、動物実験ではなかなかわかりません。動物を使って調べる内容は、急性の中毒や死亡、発ガン、臓器の異常など、かなりはっきりした症状だからです。
でも、「そんなことをしたら、食べるものがなくなってしまう」と反論する人もいるでしょう。実際、添加物を含む食品を避けたら、食べるものがほとんどなくなってしまいます。
そこで、できるだけ安全性の高い、すなわち「食べてもいい」添加物が使われている食品を買う、という現実的な選択をせざるをありません。例えば、ビタミンCやE。これらはもともと食品に含まれていて、動物実験の結果では、毒性はほとんど見られません。そうした添加物を含む食品をできるだけ選ぶようにするわけです。
食品を美味しく感じるのは、体にとって必要な栄養が含まれているからです。風邪をひいたときは、みかんやいちごなどがとても美味しく感じられるでしょう。ビタミンCを消耗しているので、それを含む食品がとりわけ美味しいのです。
大半の添加物は、栄養になりません。したがって、添加物の多い食品は、美味しくないものが多いです。この点でも、添加物の少ない食品がベターです。
最近、体がすっきりしない。だるい、疲れやすい、生理不順などの体調不良を訴える人が増えています。もしかすると、添加物によって体のシステムが乱れているからかもしれません。そんな人は、ぜひ「食べていい」添加物または無添加の食品を食べるようにこころがけてください。

ここに出てくる実験データは、おもに次の文献にもとづいています。
「第7版 食品添加物公定書解説書」(谷村顕雄ほか監修、廣川書店刊)、「食品添加物の実際知識 第3版および第4版」(谷村顕雄著、東洋経済新報社刊)、「既存天然加物の安全性評価に関する調査研究-厚生科学研究報告書」(厚生省食品化学課監修)、「天然加物の安全性に関する文献調査」(東京都生活文化局消費生活作成)