JR常磐線 浜吉田-亘理、来春再開「津波避難対策にめど」
7月27日(金)河北新報
JR東日本仙台支社は26日、東日本大震災で被災した常磐線相馬-亘理間(27.6キロ)のうち
宮城県亘理町の浜吉田-亘理間(5.0キロ)で、8月上旬にも復旧工事を始め、来春に運転を再開すると正式に発表した。
浜吉田-亘理間はルートを移設せず、現位置に復旧させる方針。
住民の通勤や通学の利便性を考慮し、他区間に先行して早期再開を図る。
相馬-亘理間の代行バス輸送は継続する。
復旧工事は、津波で海水に漬かった線路の交換や浜吉田駅の改修
同駅での折り返し運転に対応した信号設備の設置などを行う。順調に進めば来春完了の見通し。
3月のダイヤ改正に合わせ運転を再開する可能性もある。
現行ルートで復旧する同区間は、津波からの避難対策が不可欠。JRと亘理町は協議を重ね、沿線2カ所の集会所などを
避難場所に指定し、付近を通る盛り土構造の常磐自動車道に駆け上がれる階段も設置した。
里見雅行仙台支社長は同日の定例記者会見で、「乗客の安全を確保する対策にめどが付き
運転再開しても問題ないと判断した。地域の足を一日も早く復活させるために努力したい」と述べた。
相馬-駒ケ嶺(福島県新地町)間も現行ルートで再開させる方針だが、現段階で先行復旧は検討しておらず
里見支社長は「ルート移設区間と一緒の運転再開になる」との見通しを示した。
移設区間の駒ケ嶺-浜吉田間は、新ルートの用地取得に向けた測量作業などを進めている。
JRは「工事着手から3年で運転を再開できる」としているが、用地取得に一定の時間を要するとみられ、めどは立っていない。
大震災から1年4ヶ月が過ぎ…
災害の爪痕の中に、一つずつでも未来を見据えていけるよう…
住まわれていた方々が在りし日の日常を取りもどせる復興を…
常に願っております。
浜吉田ー相馬間のJR坂元駅の様子
(2012年3月時点・撮影Rider.s for Children)