Remの独断と偏見で考える、ボーダフォンのWMスマートフォン妄想編第2回。
今度はPalm社から発売されているTreo700wだった場合を考えます。
前回の記事ではボーダのスマートフォンがhTc Zだったら嬉しいと書きましたが、
それじゃあhTc ZとTreo700wだったらどちらが出てほしいか。
結論から言うと、私はTreo700wが出てくれた方がうれしいです。
では、Treo700wについて考察してみます。
ただしこのTreo700wはアメリカで販売されているもので、
日本で触れる可能性が非常に低いデバイスです。
実は私も触ったことが無いわけで、以下の文章はスペック表からみた全くの妄想です。
事実と違う部分があるかもしれませんので、あしからず。
まずはサイズですが、Treo700wのサイズは58×113×23mmです。これはhTc Zの58×12.5×22とほぼ一緒で、702NKIIの56×108×21mmと比べてみてもほとんど差がありません。つまりhTc ZもTreo700wも、電話としても使えるサイズをしているということですね。

[es]みたいにTreoサイズのハリボテを作ってみた。
702NKIIより一回り大きいくらいか。
そしてCPUはIntel Xscale 312Mhz。W-ZERO3やhTc Zと比べるとやや弱いですが、PocketPCは300Mhz以上のCPUがあればたいていのことに不自由しないので、これでも問題ないかと思います。
つぎにメモリなんですがこれがちょっと厳しいです。Treo700wのメモリはデータ記憶領域のFlashROMが128MBに、プログラム実行領域のRAMが32MBです。この構成は私の今使っているPocketPC iPaq rx1950のROMを倍にしたものですが、以前書いたrx1950レビューにもあるとおりこのRAMの量はちょっと厳しいものがあります。FlashROMを足りないと感じたとしてもSDカードで補えるからいいのですが、RAMに関してはW-ZERO3やhTc Zと同じ64MBくらいは積んで欲しいものです。ここはhTc Zに負けている部分ですね。
お次はディスプレイ。通常PocketPCのディスプレイは320×240のQVGAもしくは640×480のVGAというように、縦横比が4:3になっています。しかしTreo700wはストレートタイプの筐体にQWERTYキーボードをつけているのでディスプレーが240×240の正方形です。これは4:3の液晶の下にキーボードをつけるとかなり縦長になってしまうので、そうならないために液晶の縦方向を縮め正方形にしているためです。しかしこの正方形ディスプレイというのが、ちょっとクセのあるものなんです。
まず、解像度の違いから従来のPocketPCで使っていたソフトが使いづらくなることがあります。縦長画面より縦方向が短くなってますから、縦長画面で使うことを想定されている従来のソフトはTreo700wでは閲覧性が低くなってしまうわけです。特にPocketPCは上下の26ピクセルずつをツールバーや各種通知アイコン領域としてシステムに使われてしまうので、Treo700wで実質使える表示領域は182×240ということになります。これは現在主流のケータイよりも表示領域が小さいことになります。ちょっと狭いですね。
さらに従来のソフトが使いにくいだけならまだいいのですが、場合によってはソフトが誤作動したり、最悪の場合にはソフトがまったく動かなかったりなんてこともあります。この正方形ディスプレイのちょっと扱いづらいのも、Treo700wの欠点のひとつですね。
そしてTreoシリーズの最大の特徴でもあるキーボードです。Treo700wのキーボードはQWERTYキーボード。ただし58mmという普通のケータイと同じ幅の中に収めているため1個1個のキーの大きさは小さいです。そういう意味ではW-ZERO3やhTc Zの方が使いやすそうではありますが、正直言って私はTreoのキーボードは長文入力に使うものじゃないと思ってます。そもそもPocketPCはデータ閲覧をメインとしたPDAですし、私にはSigmarion3という長文入力に最適なデバイスがありますから、Treoのような小さなキーボードでもまったく問題が無いのです。
とはいえQWERTYキーボードがあるのと無いのとでは雲泥の差。タッチパネルによる手書き入力とキーボード入力の違いは確実性と即効性。PocketPCの手書き入力エンジンの精度も昔に比べて上がってはいますが、それでも誤認識が起こりますし、そもそもスケジュールやTo-Do、小遣い帳といったPIMデータのちょっとした文字列の入力のためにわざわざスタイラスペンを取り出して、片手で本体を持ちもう片方の手でスタイラスを持って入力、というのは少々まどろっこしいものがあります。その点QWERTYキーボードであれば確実に入力できます。特にTreoはhTc Zと違ってキーボードが常に露出しています。hTc Zはキーボードを使うためにスライドというワンアクションが必要となりますが、Treoなら0アクションでキーボードを使えますね。それにhTc Zのキーボードは横位置で扱うため両手が必要になりますが、Treoなら片手でキーボードを操作できます。ここが、私がhTc ZよりもTreoが欲しいと述べる最大の理由だったりします。
さらにTreo700wは無線LANこそ積んでいませんが、カードスロットがSDIOなのでいざという時はSDカード型無線LANカードを使えます。またBluetoothにも対応しているので、hTc Zには引けをとりますが拡張性は高い方だと思います。
こんな感じでしょうか。
W-ZERO3、W-ZERO3[es]、hTc Z、Treo700wを電話に近い順に並べるならば、
Treo700w > W-ZERO3[es] > hTc Z > W-ZERO3
という風になると思います。Treo700wはPocketPCの汎用性に、
ケータイの入力の手軽さを兼ね備えたデバイスだと思います。
そしてやたらとボタンが付いている、日本ではなじみの無いデザイン!
このデザインだけでもガジェット好きにはたまらないスマートフォンですね。
Treo700wもしくはその後継機が日本のボーダフォンから出るとしたら、
これはもう私は狂喜乱舞しながら使うこと間違い無しです。