道東旅行2日目は知床斜里から知床観光の拠点であるウトロへ移動し、
オシンコシンの滝、知床五湖と知床自然センター、フレペの滝を観光します。

私は自分で運転できないので、ウトロへ向かうにはバスを使うほかありません。
バスには2種類あって、ひとつは斜里バスの路線バス知床線。
知床斜里駅横のバスターミナルから3時間に1本ほど出ていて、これが1650円と最も安価な手段です。
ただしこれでウトロ方面へ向かった場合、朝一の便で斜里を出てオシンコシンの滝で途中下車すると、次の便は当然3時間後。
オシンコシンの滝を観光するのが難しいのです。
そこでもう一つの手段が、斜里バスが運行している「知床浪漫ふれあい号 Aコース」です。
これは予約形式の観光ツアーバスで、上で書いた路線バスより150円高い1800円かかります。
ただしこのバスだとオシンコシンの滝で10分ほど観光する時間を取ってくれるのです。
その後ウトロで先へ向かうシャトルバスにも接続できるようなスケジュールになっているので、
効率的に知床を観光するにはこちらを使う方がよいようです。
ということで組んだスケジュールがこちら。


雨音は危険な香り
2日目の朝は、雨音で目覚めました。
前日知床斜里駅に着いた段階でそれなりに降っていたので、あまり期待はしていませんでしたが、やはり天気は良くないよう。
落胆しながら布団の中で目を閉じました。
「プルルルルルル……プルルルルルル……」
気が付くと部屋の電話が鳴っています。寝ぼけながら受話器を取ると
「お客さん、朝食まだですよね? 食堂の方にとってありますので、どうぞ召し上がってください」
とのこと。はぁ……
Σ(°Д°)ハァッ!?
時計を見ると8時41分、予約していたバスの出た直後。
やっちまいました、寝坊です。
今まで何度も一人旅をしていますが、寝坊で乗るべきものを乗り過ごしたのは初めてです。
しかし焦っていてもどうしようもないので、まずは朝食をいただきながら、
時刻表を確認しスケジュールを練り直すことにしました。


地域の資料館的な知床博物館
さて、遅い朝食を済ませて身支度を終えても、乗るべきバスまでは2時間以上あります。
そこで宿の方に教えていただいた、斜里町立知床博物館を見学することにしました。


サケの皮でできた靴。
服だけでなく靴も鮭とは。

たった13年で廃線となった根北線に関する資料も展示されています。
これは旧越川駅の駅名看板。
こちらの動画に写っているものと全く同じですね。
貴重なものです。

オオワシの剥製。やっぱり猛禽類はかっこいいですね。
館内には動物の剥製が数多く展示されていました。
ヒグマ、エゾシカからエゾシマリス、鳥類、
また昆虫類の標本に至るまで、知床の動植物が集まっていました。
観光地として観て回るには地味な施設ですが、
展示物の学術的価値は高いと思います。
斜里からウトロへ
博物館から知床斜里駅に戻ったら、駅の横にあるバスターミナルで知床線のバスに乗ります。
本来ならすでに知床五湖を散策している時間なのに、ようやくのスタートですよ。
寝坊って恐ろしい。


知床斜里を出たバスは、海沿いの道をひた走ります。
晴れていれば良い景色でしょうが、あいにくの空模様。
霧も立ち込めてきて、なにやら怪しい雰囲気に。
渋滞にはまることもなく、45分ほどでウトロのバスターミナルに到着しました。
カムイワッカ湯の滝まで直通する便でしたが、早く着いたためここで15分ほど停車。
当初の予定ではそのままバスに乗っていき、知床五湖と知床自然センターのコインロッカーを使うつもりでした。
トイレ休憩を兼ねてバスターミナルの建物に入っていくと……あれ、コインロッカーがあるじゃないですか。
どうせ今日はここウトロに戻ってくるんですし、ここのロッカーに預けてしまうのが得策ですよね。
ということで、バスの発車待ちの間に大きな荷物を預け、身軽な格好で観光することにしました。
12時半、定刻通りにバスが出発しました。
窓の外に目をやると、どんどんと霧がわきだし視界が悪くなる一方。

ウトロのシンボル「オロンコ岩」も霧にかすむ。
知床連山が見えないのは確実でしょうし諦めるとしても、知床五湖の散策時に雨が降るのは勘弁してほしいもの。
なんとか天気が回復しないものかと祈りながら、バスに揺られていくとついには雨が降り出しました。

周囲の自然にそぐわず、ずいぶん立派な知床五湖フィールドハウス。

雨もすごいし、霧もすごいことに。
こんな中森の中に入ったら、なにが起こるかわかりません。
人家の近い低山ならまだしも、ヒグマの住処をこの悪天候の中進むのは自殺行為。
スマホで雨雲の動きを調べてみると、1時間ほどすれば強い雨は峠を越えるようなので、
ひとまずフィールドハウスの中で雨が小康状態になるのを待つことにしました。

雨が小降りになるまで待機するほかないので、
フィールドハウスの軒下からパシャリ。
K-3とDA 50-200mm WRの組み合わせなら、こんな雨でも問題なし。