
色彩雫の新色3色「竹炭」「深海」「天色」の試し書きができないかと世界堂に寄ってきました。
結果から言うと新色3つは入荷していたものの、試し書きもサンプルも無く、
どのような色なのか実際に目にすることはできませんでした。
がっかりしながら万年筆のショーケースをのぞいていたところ、いつもはそこだけ欠品状態なその場所に、
珍しくヤツが置いてあるのを発見したのです。
それはプラチナ#3776センチュリーの「細軟」。
正直なところ、目を疑いました。
というのも、プラチナの細軟というと欲しくてもなかなか買えないものだというイメージがあったからです。
実際のところ私も、万年筆を使うようになってからの4年間に、店舗で実物を見たことが無かったくらいで、とにかく品不足なペン先だったのです。
それがなんと、その場にある。希少性に背中を押され、すぐに欲しくなってしまいました。
しかし珍しいペン先で、しかも値段的には1万円弱の安めのペンとはいえ、薄給の身分で反射的に買うわけにも参りません。
その場は買いたい気持ちを抑え、ひとまず自宅に帰りました。
そして後日また寄ったときに残っていたら買おう、そう決めたのです。
そうして2日後にまた寄ってみたところなんと残っていたため、則購入となったのでした。

旧製品の#3776バランスと並べてみると、ほとんど見分けが付きません。
違うのはキャップのリングが二重かどうか。
少し使って見ての感想
使い始めてからまだ数日ですが、その中で感じたことを少し書き出してみます。まず、細「軟」ということでやはりペン先は軟らかめです。
手持ちの万年筆の中でペン先が軟らかいものというとカスタム823フォルカンくらいしか無いので、センチュリー細軟とフォルカンとの比較をしてみます。
細軟もフォルカンも、どちらもふわふわ感のある軟らかさで、ペンの先端だけがしなる感じです。
ただ、筆圧をかけるとグッとペン先が開いて字幅が太くなるフォルカンに対して、
細軟はそこまでペン先が開かないので、字幅が安定しています。
どちらも速記には向かないペン先ですが、どちらかといえば細軟の方がより使う場面を選ばないように思います。
また、軟らかいという意味で似たようなものとしてはパイロットのカスタム74のSF(ソフト調細字)があります。
これに関しては店頭で少し試し書きをしたことがある程度なので、比較というほどのことは書けません。
ただ、74SFよりもセンチュリー細軟の方が扱いやすいように思います。気のせいかもしれませんが。
ちなみにネット上ではときおり「細軟はペン先がガリガリする」という意見を見ますが、
私の購入した個体はペン先の引っかかりなどなく、非常にスムーズに書くことができます。
ひょっとするとセンチュリーになってから、ペン先が変わったのかも?
そういえばペン先の刻印も漢字表記からアルファベットに変わってますし。

残念ながら「細軟」ではなく「SF」表記です。
漢字表記も味があっていいんですけどね。
入れたインク
新しいペンを買うと悩んでしまうのが、どのインクを入れるかですね。ペン先の特性と向き不向きを考えて、最適な組み合わせを導き出さないといけません。
面倒でもあり、しかし楽しい作業です。
今回買った細軟は使用頻度が高くなるだろうと予想したので、彩度の高いインクは避け彩度の低めの青系統の色に絞りました。
そして手持ちのインクから選んだのは、色彩雫の月夜。結局これかよ!(笑)
現在の不満点
フォルカンよりも字幅が安定していて、それでいて独特の軟らかさを楽しめるので、買って正解だったと思います。
ただ、入れた月夜との相性がちょっとアヤシイかもしれません。
書き味の面ではなにも問題がないのですが、ペンケースに入れて持ち運んだ後に使おうとすると、
インナーキャップ内にインキが飛び散っているんですよね。
色彩雫を入れた743WAや823FA、プロフェッショナルギア銀21中字、ペリカンBBを入れた#3776バランス超極細などは
同じように持ち運んでいてもそんなことは起きていないので、ペン芯がパイロットのゆるいインキを保持しきれないのかもしれないです。

人によってはここの段差部分が気になるらしいです。
私は特に気になりませんが、持ち方によるのかも。