昨日に続いて、東北大学教授、明日香寿川氏のインタビュー記事(朝日新聞09年7月11日付)から抜粋して紹介します。
●中国はこれまで削減義務が課せられるのを嫌い、国際会議での交渉を妨害してきたのでは?
「中国の1人あたりの排出量は米国の1/5、日本の半分以下です。しかししばしば国全体の総排出量や増加率をもとに議論が進められています」
「今や中国は世界の工場です。先進国で消費する製品を作るためにCO2排出量が増えていることも忘れてはいけません」
●では12月デンマークで開催されるCOP15でも大きな進展は望めない、と?
「いいえ。温暖化対策に熱心な米国・オバマ政権の誕生で、中国は姿勢を変化。中国だけが悪役になる事態を避けようとするのでしょう」
「温暖化対策が、自国の経済発展やエネルギー安全保障の確立につながることを、そしてそれが国際社会で大きな意味を持つことも、中国政府は認識しています」
「温暖化対策の技術援助などでメリットが享受できると判断すれば、国際的にも数値目標を掲げると思います」
●では、日本の温暖化対策をどう見ますか?
「日本社会は自覚していませんが、今や国際社会の悪役は、米国や中国ではなく日本です」
「6月に麻生首相が発表した『05年度比15%削減』という中期目標に対して、デブア国連COP事務局長は『自分がこの仕事についた2年半で、初めて言葉を失った』とコメントしました。あまりに低い目標値に『責任を果たさない国』『エネルギー構造改革ができない国』というレッテルを張られました」
「今後の温暖化交渉は、米中2大国が、現在主導しているEUと組んで世界をリードしていくでしょう。日本は自国の責任や改革能力の欠如を棚に上げて中国を批判しても、国際社会では通用しません。もっと現実を見据えた議論がなされるべきです」
インタビュー記事を読んで、中国の環境政策の進展に感心すると同時に、環境を切り札に使うしたたかさに舌を巻きました。今後中国が環境分野でも世界を動かす国になるのは間違いなさそうです。
なお明日香教授は共著で上記写真の本を出版しています。
●中国はこれまで削減義務が課せられるのを嫌い、国際会議での交渉を妨害してきたのでは?
「中国の1人あたりの排出量は米国の1/5、日本の半分以下です。しかししばしば国全体の総排出量や増加率をもとに議論が進められています」
「今や中国は世界の工場です。先進国で消費する製品を作るためにCO2排出量が増えていることも忘れてはいけません」
●では12月デンマークで開催されるCOP15でも大きな進展は望めない、と?
「いいえ。温暖化対策に熱心な米国・オバマ政権の誕生で、中国は姿勢を変化。中国だけが悪役になる事態を避けようとするのでしょう」
「温暖化対策が、自国の経済発展やエネルギー安全保障の確立につながることを、そしてそれが国際社会で大きな意味を持つことも、中国政府は認識しています」
「温暖化対策の技術援助などでメリットが享受できると判断すれば、国際的にも数値目標を掲げると思います」
●では、日本の温暖化対策をどう見ますか?
「日本社会は自覚していませんが、今や国際社会の悪役は、米国や中国ではなく日本です」
「6月に麻生首相が発表した『05年度比15%削減』という中期目標に対して、デブア国連COP事務局長は『自分がこの仕事についた2年半で、初めて言葉を失った』とコメントしました。あまりに低い目標値に『責任を果たさない国』『エネルギー構造改革ができない国』というレッテルを張られました」
「今後の温暖化交渉は、米中2大国が、現在主導しているEUと組んで世界をリードしていくでしょう。日本は自国の責任や改革能力の欠如を棚に上げて中国を批判しても、国際社会では通用しません。もっと現実を見据えた議論がなされるべきです」
インタビュー記事を読んで、中国の環境政策の進展に感心すると同時に、環境を切り札に使うしたたかさに舌を巻きました。今後中国が環境分野でも世界を動かす国になるのは間違いなさそうです。
なお明日香教授は共著で上記写真の本を出版しています。
今まで、京都議定書に反対していた、アメリカが動き出し、中国が動き出した
今、実際の国の行動と効果がどのように地球にためになるのかを考える必要があると思います。
私のブログにも書きましたが、低炭素だけを視点に議論することの本質はどうなんでしょうか。長い地球の歴史を視点にしたタイムスケールでの議論は、今の温暖化問題の議題に対してどのように考えられているんですかね。
まさしく温暖化対策は国際的政治問題になってきました。各国が自国の利益を考えて交渉に臨む構図は、進む一方のようです。
しかしNektonさんが書かれたように、地球史を踏まえた長期視点での議論は、非常に薄い。各国はとにかくこの先10年の話で必死です。
特に残念なのが日本、1年先のビジョンも無いように思えます。高速道路1000円の政策はその最たるものと思いますが‥‥。