ブナの中庭で

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COP14、何も決まらず閉幕‥‥

2008年12月18日 | 地球温暖化・地球高温化
京都議定書に続く2013年以降の温暖化防止の次期枠組み作りにむけた会議でした。
しかし、来年のCOP15までの作業計画などを採択しただけで、12月13日、閉幕してしまいました。
温室効果ガスの削減幅など多くの重要議題は持ち越されたまま‥‥、何も決まらずです。

会議では先進国と途上国の対立が繰り返された模様です。先進国が中国やインドなど、温室効果ガス排出量が急増している途上国に対し相応の責任を求めた一方、途上国は豊かな経済発展によりCO2を排出してきた責任を追求し更なる対策や経済援助を求めたため、にらみ合いが続いたようです(朝日新聞14日記事参考)。

今年の7月に開かれた洞爺湖サミットでG8は「2050年までに温室効果ガスを世界全体で半減させる」と長期目標を立てましたが、今回は途上国の反対にあい合意に至りませんでした。


   現実はこんなに温度上昇がおこっているのに‥‥(IPCC報告書より)

さて今回のCOP14について安井至氏(国際連合大学名誉副学長、東京大学名誉教授)
は次のように書いています。安井至:市民のための環境学ガイド

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現在、日本の現状は最悪。
 (1)政治的状況が最悪。政治家の誰もが今は地球レベルの問題などを議論している暇はない、という認識。
 (2)産業界が最悪。この議論をリードしている経団連の意見が、日本の産業界全体の意見を代表しているように思えない。
 (3)メディアが最悪。何を基本として議論をしなければならないかを示すことができていない。NGOみたいな記事しか書けないメディアも多い。
 (4)反温暖化論の学者達が最悪。国際政治の状況を理解していない。
 (5)NGOの主張が最悪。諸外国が国益をむき出しにして主張しているのに、多くのNGOは、自らの主張がEUの一部の国の国益を代表した発言になっていることを理解しているのか。
 (6)無関心な国民が最悪。この問題、地球環境という衣を着てはいるが、その衣の下の鎧を見ていない。日本の向こう10~20年程度の未来決めることだという理解がない。本当は、そう言わないメディアが悪いのだが。特に、何をして稼ぐ国になるかを決める重大な要素であると理解すべきだ。
 (7)いわゆるテレビ・コメンテーターが最悪。地球環境が重大と言いつつ、実は、国益に関わる重大な交渉が行われていることを理解していない。

地球温暖化問題が実は、気候変動による人類の危機といった問題であると同時に、気候変動を巡る国際政治の問題、国際経済の問題であるということをしっかりと理解しないと、どうしようもない。
(ここまで引用)
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辛口ですが、まさにそのとおり。
もっと私たちひとりひとりが関心をもって、今の生活と地球の未来の関係性を考えなくてはいけないんですね。

(冒頭写真:水没しつつあるツバル、「地球温暖化写真館」より)

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