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諫早湾、高裁も開門を命令

2010年12月06日 | 環境問題
国営諫早湾干拓事業は、水害などの防災と農地の造成を目的として、農水省が1989年に着工した事業。
長さ約7kmの潮受け堤防で諫早湾内3550ヘクタールを締め切り、干拓地と調整池が作られました。
しかしこのとき、1550ヘクタールの干潟(国内最大)が喪失。総事業費は2533億円。

1997年、293枚の鋼板が海に落とされたときには「ギロチン」と呼ばれ、その衝撃的なシーンを覚えています。
堤防を締め切った後、有明湾でのノリ養殖が凶作に見舞われたり貝類などの漁獲量が激減したりしました。
その原因は、干拓によって干潟が失われ潮の流れも遮られたとして、漁師らが堤防の撤去や常時開門を求めて訴訟。

今回の裁判では「潮受け堤防の締め切りと諫早湾とその付近での漁業被害には因果関係がある」と判決されました。

ギロチンが下ろされて間もない頃の諫早湾を訪れたことがあります。締め切られた湾内では大量の魚貝類が死に、腐敗臭が漂っていました。
干潟は海のゆりかご、と呼ばれています。微生物を育み、それが魚貝類の餌になり、また同時に水質浄化を行なってくれている場所。
早く開門され諫早湾の水質が修復されることを祈ります。

過去に書いた記事「諫早湾の干拓問題」、こちらも併せてお読みくださいね。

(写真の出典はJAXA、潮受け堤防をはさんで水質が異なる様子がわかります)




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