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丸岡谷の地質

2012年09月03日 | 地質・地形・地球科学

(白山釈迦岳と丸岡谷の地図:クリックで拡大)

白山釈迦岳は石川県白山市にある標高2053mの山。ほぼ全山が中生代ジュラ紀の堆積岩からなっています。

私たちは市ノ瀬駐車場を出発し林道と登山道を約1時間歩き、釈迦新道入口手前左から20mほど下って入渓しました。
入渓点は湯の谷川との合流点よりすこし上部です。


合流点からしばらくは堰堤が数個、いずれも簡単に乗り越えられます。
この周辺には見事な巨岩が積み重なっていますが、堆積年代はいずれも中生代ジュラ紀~白亜紀(約1.5億年~1億年前)。
当時、石川・富山・岐阜・福井の県境付近には大きな「古手取湖」が広がっていたと考えられています。その面積は推定で琵琶湖の約10倍!

湖周辺にはシダ植物や裸子植物の森があり、草食恐竜や肉食恐竜が多く生息していました。
湖底堆積物は泥岩や砂岩を形成し、その後隆起して、現在の白山地域の地層を作っています。
(ただし白山はその上に火山が乗っかったもの。白山頂上部は火山です)

丸岡谷に入渓して間もなく見つけた化石。泥岩中にシダ植物の葉がぎっしりと積み重なっていました。


「スゴイね」「持って帰りたいね」「でも30㎏以上もあるよ‥」「無理~」

(白山国立公園内ですから採取には許可が必要です)

泥岩は風化されやすく、クラックが入りブロック状に落ちる傾向があります。

この滝も階段になっていて登りやすい、と思って手をかけたら大きく岩が剥がれました。風化注意!

手取湖の湖底には礫(石ころ)も堆積し、礫岩を作りました。

遡行中のNさんの上にあるのが礫岩です。
この石ころ、きっと恐竜も踏みつけていたはずですよ、1億年前に

地学屋の私にとって、地質巡検を兼ねた丸岡谷でした。
とても得るものが多く、楽しかったな~~

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