ブナの中庭で

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「ある町の高い煙突」(新田次郎)

2023年01月11日 | いろいろな本
日立鉱山からの煙害と戦い「大煙突」の建設へと。

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日立市のシンボル「大煙突」は、 日立鉱山で1915年に使用が開始された高さ155.75メートルのもので、当時は世界一の高さ。
この煙突を巡る本書、実話です。


日立鉱山から産出される鉱石(主に黄鉄鉱と黄銅鉱)中の硫黄が原因で、精錬時には大量の亜硫酸ガスが発生。
鉱山周辺では長年、その煙害被害が深刻でした。
煙害に苦しむ旧入四間村を何とかしようと立ち上がったのが、関根三郎。

彼は日立鉱山の加屋淳平と協力して問題の解決に当たり、最後は大煙突の建設へとこぎつけます。


現在は排煙から亜硫酸ガスを除去する方法が確立されていますが、当時はまだ見出されておらず、
亜硫酸ガスを高い煙突で大気中に拡散させる方法しかありませんでした。

日立市のHPにも、この大煙突と桜について紹介されています。
大煙突とさくら|ひたち風

大煙突建設の以前には、百足煙突はじめ様々な煙突が建設されましたが、いずれも煙害軽減には失敗したのでした。


残念ながら大煙突は、1993年2月に下部約3分の1を残して倒壊。


しかし今も日立市のシンボルとして市民に愛されているそうです。

【大煙突の写真の出典】日立市、Wikipedia

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