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土石流の猛威

2009年06月02日 | サイエンス
土石流(どせきりゅう)とは、土砂が降水と混じって谷や川を流れ下る現象で、大きな土砂災害を引き起こします。主な原因は集中豪雨です。

発生原因は主に3つに分類され‥‥

①谷や川底に堆積している土砂が集中豪雨によって流動化するもの。
②集中豪雨によって発生した土砂崩れが発生し、その土砂が谷に流れ込んで起きるもの。
③集中豪雨等により地すべりや土砂崩れが発生し、その崩壊土砂により河川が一時的に堰き止められ天然ダムを形成。その後、決壊して土石流化となるもの。

中には火山噴火や地震による山体崩壊が原因となり誘発されるものもあります。

2008年9月3日、三重県菰野町湯の山温泉を襲った土石流。

湯の山温泉から御在所岳に向かう裏登山道の様子。
日向小屋は基部がすっかり抉り取られました。(残ったのが奇跡的!)


7合目以下が破壊された裏登山道。現在は暫定復旧し、岩場に向かうクライマーの姿も。
流下してきた巨礫の大きさから、土石流の運搬力の凄まじさが想像されます。


藤内小屋付近は谷が集まるところで、土石流堆積物も集まっていました。
小屋は甚大な被害を受けながらも再建に向けて修理中、がんばれ~!


発生当日、麓のほうでは、さほど強い雨は降っていなかった模様です。
町の観測によると、町役場(潤田)の24時間雨量は35ミリ。しかし御在所山麓の湯の山温泉協会(菰野)は386ミリ、山手の朝明キャンプ場(千草)では639ミリと、地域によって大きな差がありました。

非常に発達した積乱雲が御在所岳一帯にかかった結果、いわゆる「ゲリラ豪雨」をもたらしました。山腹崩壊を引き起こし、一気に流下したものと想像されます。

河川水の運搬力は流速の6乗に比例するので、例えば流速が10倍となれば体積100万倍の岩が流れてくる計算になります。
また近年は地球温暖化によってゲリラ豪雨が増加の傾向にあります。

CO2を出し続ける人間に地球が怒っているようです。


(調査日:2009年5月30日)

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