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国宝犬山城の地学的見方

2012年03月29日 | 地質・地形・地球科学
国宝犬山城、天文6年(1537年)織田信康(信長の叔父)によって築城されました。
慶長5年(1600年)、小牧長久手合戦では豊臣秀吉は12万余の大群を率いてこの城に入り、徳川家康と戦っています。
江戸時代は成瀬氏が城主となり、代々受け継がれていました。

濃尾地震での甚大な被害も修復され、現代にその美しさが引き継がれています。国宝四城(松本、彦根、姫路、犬山)の中で最も古い城です。

さて、この犬山城、いらっしゃることがあったらぜひ見てくださいね。
この立派な石組です。


岩石は中生代のチャート。

犬山周辺では中生代の美しいチャートが大量に産出されます。約1.5~2.5億年前、当時の太平洋に生きていた放散虫(遠海性プランクトン)の死骸が堆積し、その外骨格成分である二酸化ケイ素が堆積します。
堆積物はチャートとなり、さらに太平洋プレートが移動し堆積層は日本列島に押し付けられ、変成(激しく褶曲)されます。

犬山周辺にはこのチャートが広く分布します。
非常に硬い岩石なので浸食されにくく、岐阜市~犬山市の周辺では、平野の中にポコ、ポコと山が顔をもたげているのはほぼ全てがチャート。

(犬山城天守閣から撮影)
チャートは硬いため、長い年月を経ても浸食されにくく残るのです。

犬山城にかぎらず、お城の石垣はその地域で最も硬くて美しい岩石が使われることが多いのです。

お城の石垣についての記事をお読みください。

同じようにチャートからなる金華山岐阜城についてはこちらをお読みください。

(おまけ)
今回、犬山城は地学解説の仕事で訪問しました。
お城の帰りは名鉄犬山駅まで町中を歩きましたが、昔の街並みを残していて(復活かな?)とても楽しい時間でした。


【おススメコース】
 名鉄犬山遊園駅→(木曽川のほとりを歩く)→犬山城→(犬山の町を散策)→名鉄犬山駅

4 コメント

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猫山市いい町並みですね (Nekton)
2012-03-31 10:45:02
名古屋勤務時代に「愛知まちづくり塾」という、地域の街づくりを担う人を養成する講座のサポート(ワークショップのファシリテーターもどき)の仕事をしました。
塾生の皆さんと犬山市内を猫山市という仮想の街にして、どんな街にするか散策しながらテーマを決めて、ワークショップの練習をしたんですが、古い町並みが広がるので散策も楽しかったです。
いい街が残っています。
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Unknown (Pearsword)
2012-04-01 18:08:01
へぇ~、犬山って城下町だったんですね。
なんだか、判らないことばかりですが、太平洋プレートって、日本海溝に落ち込んで、マグマに溶け込んでしまうイメージがあるのですが……。それと、殻がガラスみたいな成分なんですね。……全く、大学で名に勉強してただか、親が泣くかも(笑)。
良かったら、教えてください。
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猫山市‥‥ (Repu)
2012-04-01 20:47:53
面白いワークショップをやったんですね。
「犬」山市はお城だけがクローズアップされるようですが、街並みもなかなか良かったです。
そうそう美濃加茂市の美濃太田も中山道の街並みが残っていました。中山道というと妻籠・馬籠が有名だけど、太田もよかったな~
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プレート (Repu)
2012-04-01 20:50:44
太平洋プレートは日本海溝から沈み込み、上部マントルに融合していきます。「殻がガラス?」という意味がちょっと分からないのですが、プレート全般はケイ酸質が主成分です。
なおマグマはプレートが局所的に部分融解して発生するもので、プレートがマグマに溶け込むことはありません。
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