ブナの中庭で

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南アルプス・白根三山縦走(後編)

2013年07月16日 | 山登り
(昨日の記事に続きます)

*縦走2日目:7月14日(日)

北岳に登った後、北岳山荘から間ノ岳へ。

縦走路は様々な結晶片岩(岩石の一種)の露頭が続く。
地学屋の私は、「さすが中央構造線近くの変成帯だ!」と感激。じっくり腰を下ろして観察したいところだ‥。
しかし天候は急激に悪くなり、空模様も怪しくなり始めたので、足を進めるしかない。


白根三山の第2峰、間ノ岳。
しかし不遇の峰だと思う。標高3189mと堂々としたものなのに、日本第二峰の北岳の脇に存在し、ここから主稜線が顕著に2つに分かれる繋ぎ目にあたる位置だからか、「間ノ岳」という何とも個性のない名前をもらっている。
山頂もこの日は、うら寂しい感じだった。

百名山ハンターの登山者はここから西に進み、熊ノ平小屋を経て塩見岳を目指す。

しかしあくまで白根三山縦走にこだわる私は、農鳥岳を目指してひたすら南下。


瓦が積みあがったような独特の景観の中、目指すは農鳥小屋。(写真には小さく写っています)
午後3時近くとなり、雨も降り始めた。

ようやく到着した農鳥小屋のテン場。三連休とあって混雑しテントサイトは満員。
こんな状況で、自分のすぐ脇にテント設営を許してくださったFさん、ありがとうございました。
2人でまったりビールタイムをしているうちに、みるみる天候は回復。

浮世絵のような富士山や、


夕陽のスポットライトを浴びる甲府の町が、


次々と姿を現し、我々2名は大興奮。撮影タイムに突入となった!



*縦走3日目:7月15日(月:祝日)

深夜に降り始めた雨は降り続いた。起床時刻の午前4時になっても、降りやまない。
5時10分、雨&強風の中、意を決して出発。農鳥岳へ向かう稜線では、強風の為に身体がよろける程だった。

農鳥岳山頂でもガスは濃い。風の強い山頂を避け、直下で休む登山者の方々。

大門沢下降点に設置されている鐘は、突こうにも強風でままならないくらいだった。

大門沢を下り始めて1時間、風が止んで、あっという間に青空が広がってきた。

うれしい!

2時間余り下って、大門沢小屋。水が美味しく、ありがたいな~


この後は大門沢に沿って下ったが、大岩を超えたり、何度も沢、丸木橋などで渡る。

こんな橋ばかりならいいが、丸木の一本橋や微妙なバランスを要求するものもあり、結構緊張させられた。

西山発電所からは整備された登山道となり、その下部には大きなダムができていた。
登山道はここで作業道路に合流。


道路を20分余り下り、南アルプス林道へ出る(12時10分、ここまでテン場から7時間)。あとは奈良田の駐車場に向かって25分間の歩き、そしてゴール!

この3日間は梅雨前線の動きに伴い、天候がコロコロと変わった。
しかしそんな中、白根三山を踏破できて大満足、達成感も大きかった。
Fさんはじめ、登山道で出会った大勢の皆さんと励まし合いながら歩くことができ、感謝また感謝。

テント縦走、いいですねぇ。今度はどこへ行こうかな~♪

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
富士山が (Bつま)
2013-07-17 08:23:20
中腹だけうす赤く光る富士山が、美しい。
まさに日本画の世界、日本人であることの幸せ。
今すぐ散歩に行きたくなっちゃったよ。
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Unknown (Pearsword)
2013-07-17 20:58:31
 大縦走ですね!! 2日目の行程が一番ハードそうですが、池山吊尾根の勾配はどんなものでしたか? 
 最近は精神力もお金も暇も無くて、縦走も出来ません。困ったものです。
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Unknown (週末山紀行)
2013-07-17 23:26:02
なるほど。
最終日の前半は厳しい自然環境だったのですね。
しかしこれも山の一部。
全て込みで思い出に残る山行で何よりでした。

浮世絵富士は見事でしたね。
なんとも幻想的な雰囲気です。

あぁ縦走山行いいなぁーーーという気分です(笑)
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Bつまさんへ (Repu)
2013-07-18 22:48:04
Bつまさんに見せてあげたかった、浮世絵富士!
今度一緒に見に行きましょうか?
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Pearswordさんへ (Repu)
2013-07-18 22:51:34
池山吊尾根、昭文社のエアリアマップでは点線の道(つまり整備不良)ですが、大丈夫。傾斜はまずまず急です。
なにより静かなのが良いのです。独り歩いていると、南アルプスの森に自分の存在が融け入るような感覚でした。
そして一般道と合流した八本歯のコルでは、北岳へ登ろうという大勢の登山者にビックリ‥。
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週末山紀行さんへ (Repu)
2013-07-18 22:58:26
雨に打たれるテントも、それはそれで山の楽しみの一つ。
テント縦走は、山の懐の奥深く入る実感があって好きです。単独ならなお一層、山の空気が感じられます。
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