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SPring-8(スプリングエイト)見学会

2013年04月30日 | サイエンス
SPring-8とはSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)の略。1997年、兵庫県播磨科学公園都市にオープンした、世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。
放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のこと。SPring-8では、この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。


今回は、円形のリング部分と直線状のSACLA(サクラ)を見学しました。

午前は科学講演会に参加しました(10:30~12:25)。4名の研究者の最先端のお話を伺いました。


演題は次の通りです。
「人工的にパラジウムは造れるのか」北川宏氏(京都大学大学院理学研究科 教授)
「SACLAで拓く新しい構造科学」中迫雅由氏(慶應義塾大学理工学部 教授)
「レアメタルの低環境負荷リサイクル技術の開発」飯原順次氏(住友電気工業解析技術研究センター 主幹)
「高分解能CTでみる木の文化」杉山淳司(京都大学生存圏研究所 教授)

その後は自由見学。まずは昨年3月にオープンしたSACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laserの略)に行きました。


ここは強力なX線自由電子レーザー施設です。


波形が揃った短波長のX線レーザービームを使用して、物質の極微細構造の解析が可能となったそうです。

後半はリング部の1周ウォーキングツアーに参加。

外から見ると緩やかにカーブしているのが分かりますか?1周が1436mもある巨大な加速器なのです。

ここに62本のビームラインが設置され、各ビームラインで特徴的な研究開発が行われているのです。


専門家の方々が実に分かりやすく説明してくださいました。

私は鉄隕石の分析から、Fe-Niを使った次世代型強力磁石の研究をしていらっしゃる若手研究者の方にずっとお話を伺うことができました。素朴な質問にも笑顔で答えてくださって、感激~!

錆びついた頭を一気にリフレッシュしてくれた一日でした。大満足。
本当に知的興奮の続く素晴らしい見学会でした。 

2 コメント

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Unknown (Pearsword)
2013-05-04 20:47:13
大きな実験設備ですね。直進部で加速した電子を円形の部分で回転させるということでしょうか。
 木のCTって、木材の組織が見えるのでしょうか。それが、「放射光」で可能になったということなのですか?
 人体のCTなどは、X線ですよね。
 なんか、無学な質問で申し訳ありません。
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Pearwsordさんへ (Repu)
2013-05-05 19:04:53
その通りです。
木材の組織、微細な部分までくっきりでしたよ。木の種まで同定できるそうです。しかも珪化木でも同定できるとのこと!
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