私が、つくづく思うのは、日本の報道は世界のどこの報道より死んでいるということです。昨日のブログのcolaboと赤い羽根共同募金の件もそうですが、左右関係なく日本国民のために社会正義を貫く姿勢を持ってほしいですよね。
しかし、悲しいかな、日本では報道関係者にとっては最大のスポンサーの一つというユニクロを叩けるところはいないのですよね。ですから、私が代わりにコメントします。私だって叩くつもりはないですよ。ユニクロの賃上げはどういうことなのかということを正確に報道をしてほしいと願っているだけです。
見出しのユニクロの賃上げの実態ですが、
① 新人社員の初任給月給25万5000円から月給30万円にする。
② 入社1~2年で就任する「新人店長」は月給29万円から39万円に
引き上げる。
ということだけを報道しているところが大部分でした。しかも、ユニクロに忖度したのか、「年収最大で40%増」というインパクトのあるところを見出しに使っているところが多かったです。テレビなどは、ユニクロのCMを多く流してもらっているので、ゴマすりのようでした。
一方では、政府が少子化対策のために出産費用の助成金を増額するというニュースでは、物価が上がって足りないだとか、便乗値上げがあるとか、マイナスのエネルギーだらけでうんざりしました。
日本全国ダニだらけだという感じを受けました。自分のことは自分でするのが基本でしょう。助成金を受け取れるのであれば感謝して、その恩返しで税金を多く払えるように努力すればいいのですよ。岸田政権は社会主義国家を目指しているのでしょう。
本日の言いたいところはそこではなく、ユニクロの賃上げの本質ですよ。賃上げは歓迎すべきなのでしょうが、本当に十分な賃上げなのかという検証をしていないと思ったのですよ。
一つには、新人の初任給をあげるというのはわかりましたが、手取りなのか、時間外労働をしてのものなのか、基本給なのかを記載していないのですよ。そして、本当に重要なのは、定期昇給というものがありますが、その幅ですよ。会社は、秘密として言わないでしょうが、基本給なのかは記載すべきでしょう。
また、「新人店長」なるものがありますが、通常考えて、1~2年で店長になれるのでしょうか。管理職として時間外勤務手当を払わないということなのだろうかと推測しました。そして、その店長には自己判断で店舗の運営ができる権限があるのでしょうか。上からの命令を聞いて実行するだけの見せかけ店長なのではないかと推測しています。(管理職とはある程度の自己決定権などの任されている部分がないと管理職といえないという判例があります。)
そして、一番重要なのは、能力主義なのだということを落としているでしょう。これはユニクロだけではなく、公務員も含めて、勤務評定されているはずですよ。ユニクロが賃上げするという記事がいくつかありましたが、一つだけ、「仕事の評価などに応じて賃金を引き上げる」と書いていましたよ。
本当に日本の報道記者はいろいろな会社ごとに異なる給料体系などのシステムを知らないで取材して、必要な言葉をつなぎ合わせているだけの記事です。その裏にはこんな考え方もあるということを知っていただきたいと思います。
また、自分の職場での賃上げ要求の役に立ててください。システムを知って、会社の経営状況を把握して、このくらい上げることができるだろうと要求すべきなのですよ。
さらには、経営者は、固定費が増加するのは嫌ですから、儲かったのであれば一時金として、配って欲しいという要求がいいでしょう。結論としては、夏、冬のボーナスが出るところであれば、儲かったら3月にも臨時ボーナスを支給するという要求をするのが現実的ですよ。
蛇足ですが、5%だったか賃上げした会社(中小企業だけだったかもしれませんが。)は国から助成金が出るはずですよ。条件がありますので、それも活用することをお勧めします。
皆さんには、報道の上っ面を見ないで、賃上げはいいとして、実際にはどういうことなのかという本質を把握するようにしていただきたいと思います。