35期竜王戦第3局藤井竜王対広瀬八段、112手で後手番の藤井竜王が逆転勝ちで2勝1敗と白星を先行させました。
ただ広瀬八段、終始優勢で、2日目の昼食休憩を挟んでの大長考、ここで迷って悪い方を選んだと直後の感想にもあった通り、下図の局面で藤井竜王84手目の△7五歩に対して、
実践では同歩とした手を悔やんでいましたが、AIもその通りの評価で、ここで初めて評価値が逆転、藤井竜王に傾きました。
ここでは▲6五歩と桂を取る一手で、以下△6六歩、同銀、同角と銀を取られますが、次の一手
▲6七香打が厳しく、これで先手優勢とのこと。広瀬八段の判断もAIの評価と同じでした。
私は王より飛車を可愛がるヘボですが、局面を正確に判断出来ていた広瀬八段の強さを改めて認識しました。
岡目八目なんていいますが、アマのレベルだからであって、実際に対戦しているプロ棋士は遥かに深く読んでいると、何かの折に聞いたことがあります。故米長邦雄永世棋聖の逸話だったように記憶しているのですが、その対象者があのひふみんでした。対局中だった加藤一二三九段が早指しのたった30秒で解説者よりも遥かに深く読んでおり、感想戦で想像もできないような手まで読んでいたことに驚かされたとか。今の広瀬八段がまさにそうです。
第2局の解説に木村九段が出てましたが、喋る方に専念するため肝心の将棋のほうは、深く読むことができないので間違ったらごめんなさいっていつもの調子で話されていました。てっきり場を和ませるための方便だと思っていたのですが、どうもそうでもなかったようです。対局者にとって勝つと負けるとでは雲泥の差。全霊をもってその場に挑んでいるのですから根本的に心構えが違います。解説者もプロ棋士とはいえAIを見ながらの判断で、しかもAIの候補手を見た上でのこと。それでもAIの最善手はもとよりトップレベルの両対局者の指し手の意味にまでは理解できていないことが大半です。
それを実際に対局している本人が対局直後にこの感想を言うのですから恐るべき棋士と言うほかありません。それとよほど悔しかったのでしょう。
7番勝負だからまだまだ続きます。奥の手を相手にわざわざ漏らすはずがありません。一旦表にでた手は即座に研究されてしまうでしょうが、脳内にある隠れた秘策はあくまでも今後のための戦術です。
つい最近も渡辺名人が藤井竜王相手にタイトル戦で、かって負けた戦型で敢えて選んだのも独自の研究によるものです。残念ながら結果はでませんでしたが・・・
そんなことを思い出させるような挑戦者の広瀬八段は、メチャクチャ強敵なんですね。藤井竜王が簡単に1敗のあと4連勝するだろうなんてチョットばかり侮っていましたよ。
深く反省します。
是非ともいい将棋を魅せてください・・・
というのが普通の人の思いなんですが、ところがどっこいこちらはAIの申し子藤井竜王と芝野九段、この二人さえ勝ちばいいという根っから依怙贔屓のクソオヤジ。
藤井竜王、あと2勝というより残り2連勝を期待してまっせ!
ついでに芝野さん、初めて十代で獲得した名人位、来週の文化の日に返咲きを決めてクソ忌々しい魔王を滅ぼしてや!