一力遼棋聖(25歳)に芝野虎丸名人(23歳)が挑戦する第47期棋聖戦七番勝負が始まりました。両者にがタイトル戦を争うのは初手合です。
お互いに魔王と呼ばれた井山本因坊から、棋聖位・名人位を奪取した文字通り令和三羽烏で、今後タイトル戦を幾度となく戦うことになるでしょう。
先番の芝野名人が後手番の一力棋聖にどう挑むのか注目の一戦ですが、文字通りこれまでにない難解な出だしとなりました。
右辺がどんな形で収まるのか、目が離せない中、芝野名人は競り合っている右辺を手抜きして、左上から自陣の模様拡大と同時に相手陣への削減、さらには左下の二目を動き出しを狙って黒93の肩ツキから黒95と仕掛けます。
白 一力棋聖
黒 芝野名人 6目半コミ出し
井山名人(当時)に挑戦したときもそうですが、変幻自在の打ち回しというか放置プレーといわれるほど有名で、部分にはこだわらず独特の大局観で碁盤全体を通しての着手が、AIの着手と一致することが多く、十代で名人位を獲った時から、将棋界の藤井竜王と並び称せられたほど。
一方のタイトル保持者の一力棋聖も力戦を雄で、世界での評価が日本人NO.1との呼び声が高く、戦い、ヨセいずれも群を抜いており、井山元棋聖との壮絶なねじり合だけでなく、半目勝ちという細かな勝負にも勝利して棋聖位を獲得しています。
さて、ここで一力棋聖が封じ手となりました。
どう打つのかサッパリわかりませんが、読売のHPでのAI評価は白が少し良いみたいです。とはいえ将棋ほど正確ではありません。加えて変幻自在の打ち回した名人のペースとみるプロ棋士も多いようです。
因みに黒93から95で、変化図のように黒1と引き、以下黒9まで一例ですが、右辺の黒を取った白に対して右下隅を味良く地にしただけでなく下辺も厚くなった黒、この別れはどうやら黒に軍配が上がりそうです。
さてさて、どんな結果になるのでしょうか。