「菩提寺って何ですか?」「檀家って何をする家のことですか?」と聞かれることがあります。
基本的に菩提寺とは「先祖代々のお墓があり法事や葬儀をしてもらうお寺」のことをいいます。
またそのお寺を菩提寺としている方を「檀家」と呼び「お墓のある寺に所属し、その宗旨を信仰し、仏事を依頼する家」ということになります。
よく言われることですが、菩提寺を持つ利点をあげるとすれば
①信頼する住職に死後の供養(葬儀や法事)を任せられる安心感を得られる
②仏事に限らず、困ったことがあれば相談できる
③先祖代々のお墓に入れる
などです。
逆に不都合と思われるのは
①お寺を護持し守っていくうえで、寄付など様々な費用が生ずる
②遠方に引っ越した場合などでも、お墓を継承し管理しなくてはならない
③他宗派寺院で葬儀を行った場合などは、菩提寺のお墓に納骨できないことがある
④「人質」ならぬ「骨質」に取られているから、寺の付き合いが煩わしくても我慢しなくてはならない
などがあげられます。
お寺の境内に墓地がある「寺墓地」の場合はそのお寺が菩提寺となりますが、合掌の郷は倫勝寺が運営する「霊園」ですので、
倫勝寺檀家は別として、墓地と菩提寺が別々の場所にあるということになり、
法事などを行う際にはそれぞれの菩提寺で行うか、合掌の郷にお越しいただいて法要儀式を執り行うことになります。
霊園にお墓があっても先祖代々の菩提寺を大事にする方は多いですし、
横浜で初代なのだから、と故郷のお寺の了解を得た上で菩提寺を倫勝寺に替えるという方もあります。
考え方は様々ですが、倫勝寺が合掌の郷にお墓があるからと言って勝手に葬儀や法事を行うことはできませんし、その逆も厳に禁じられています。
この他にも菩提寺に関してはいろんな決まり事があるのですが、
最近は菩提寺があるにもかかわらず他寺院で葬儀を行い、
四十九日納骨の法要から菩提寺や倫勝寺に法要を依頼するという方が増えています。
「実家は仏教だけど宗派や菩提寺などがわからないので、とりあえず葬儀屋さんに坊さんを紹介してもらった」
というケースが多いのですが、
葬儀屋さん紹介の寺院が四十九日法要まで面倒みてくれることは稀で、体よく見放されてしまうことがほとんどです。
管理事務所で納骨の手続きをして初めて宗派や菩提寺が明らかになり、
不義理してしまったことなど、今後どうしたらいいのか途方に暮れてしまいます。
合掌の郷では墓地を購入された際に
「宗教の有無」
「宗旨宗派の確認」
「菩提寺の有無」
などをお聞きし、台帳に記載させていただいています。
ですので、万一のことが起きたとき、まず管理事務所までお問合せください。
生前に葬祭部門に相談されることも可能です。
菩提寺があればお知らせしますし、無ければ霊園が提携する実家と同じ宗派のお寺さんを紹介することもできます。
もちろん、仏事のいろんな疑問や要望にもお応えしています。
葬儀など代替わりの時はいろんな問題に直面します。
しかも初めてのことばかり。
転ばぬ先の杖ではありませんが、仏式で法要をと考えておられる方は早めに管理事務所に問い合わせてみることをお勧めします。
さて、菩提寺と檀家の関係を把握していただきたいことから文章を進めてきましたが、
「無宗教」
「菩提寺を持たない」
という方も見受けられるようになってきました。
菩提寺に対する不信感や布施など費用の問題、お寺との付き合いが煩わしいと考える方が増えた等が理由と思いますが、
仏様の教えを通じて人の心に寄り添うことを怠った僧侶にも、責任の一端があると思います。
「菩提寺なんか無くたって大丈夫」という方もいると思いますが、菩提寺を持つ利点の一番目にある
「死後の供養を任せられる」
という安心感はかけがえのないことと思います。
独りで抱え込んでしまった哀しみや後悔を話せる相手が、菩提寺の僧侶という存在なのです。
菩提寺として、あるいは霊園のお寺として縁を結んで頂いた多くの方々が安心して供養ができるよう、
倫勝寺は今後も僧侶としての務めを果たしていく所存でおりますので、
どうか遠慮なくご相談ください。
(合掌だより令和6年冬号掲載記事)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
紅葉が最高潮の時期になりました。
今回の紅葉の写真は、滝の上に登ってあれこれ撮影したものです。
うーん、やっぱりウチの紅葉はきれいだわ(^^♪
今日はここまで。