さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

20240928 秋彼岸会が開催されました

2024-09-28 10:06:44 | 倫勝寺の行事報告

秋彼岸お中日の9月22日は、雨が降ったり突風が吹いてテントが飛んだりと不順な天候ではありましたが、
おかげさまで事故無く秋彼岸の法要を勤めさせていただきました。

午前11時からは「さんぜ法要」

 

いつものように、教区の若手僧侶の方々にお手伝いいただき、さんぜにお眠りになっている600名近くの方々のご供養を行いました。
悪天候にもかかわらず、ご焼香においでくださったご遺族の方々は30組ほど。
故人様を偲ぶお姿には頭が下がります。

午後2時からは下記の通り、葬儀や相続についての講演会を行いました。

「相続と葬儀に関する法律関係-今から考えておくべきことー」  
講師 弁護士 ニューヨーク州弁護士
シティーユーワ法律事務所 石井 輝久 先生
teruhisa.ishii@city-yuwa.com 直通 03-6212-5662

※先生から当日のレジュメ掲載のご許可をいただきました。

 参考図 相続人順位


出典:政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5848.html

■ 葬儀について

  • 「民法」は全部で1050条あるが、「葬式」という言葉が出てくる条文は4つの条文のみ。
    「誰がどのようにすべきか」ということには一切規定なし。
  • 「祭祀の主宰者」という条文はあり(民法897条)、例えば、「遺骨」の所有権は「祭祀の主宰者」に帰属する(判例)

➡結局、葬儀そのものに関しては法律はあまり役にたたない。近親者で話し合ってやるしかない。

  •  葬式のやり方などについては、「遺言書」で解決すべき問題ではなく(遺言書に関する手続は複雑で(例・勝手に開封できない)間に合わない)、
       生前に、信頼出来る方に「死後事務委任契約」で依頼しておくのが本来は確実。
  • 「死後事務委任契約」までは行わなくても、いわゆる「エンディングノート」(自分が死んだらこうしてほしいということを書き残すノート)については
     法律的な効力はあまりないが、残された者としては大変役に立つ。誰に連絡してほしいか、「遺影」はどうするか等。(注意事項は後述)
  •  親(又は子)が亡くなった・・・という場合
    • 近親者への連絡、葬儀の手配、入院していた場合私物の引き上げ、通夜・告別式、初七日
      ・・・その間に、死亡診断書の入手、死亡届・火葬許可申請書の提出、金融機関への届出、世帯主変更届、年金受給停止、
         未支給年金の請求、公共料金などの解約、国民健康保険。介護保険の届出等・・・葬儀社が代行してくれる場合も
  •  諸々の費用について、手元のお金はどうするか。
    • 支出した費用は必ず領収書をもらって専用のファイルに保管。
      後日の相続税の申告や家族で分担するときにそれがないとかなり大変。
    • 安易な処理は相続放棄に影響する場合もある。
  •  (葬儀がおわり一段落ついたら)「法定相続情報証明制度」の利用(法務局)(手続は司法書士に依頼するのが簡単)
     →相続手続というと山のような「戸籍謄本」「除籍謄本」などの束が何度も必要なイメージがあったがこちらの制度で(一定程度)解決

■ 相続について

1. 事例・「全ての遺産を相続させる」遺言と「遺留分」
2. 遺言書の種類等
3. 事例・使途不明金(「遺産分割調停」について)
4. 一次相続と二次相続
5. 生前整理
6. 相続させたくない
7. その他

  1. 孤独死と空き家問題(平成27年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行)
  2. 部屋を貸している場合の借家人(店子)の孤独死
  3. 高齢者虐待

以上

当日は非常に丁寧に葬儀や相続についてのお話をいただきました。
特に相続については、ご自身の経験を基にわかりやすくお話をいただきました。
レジュメの項目以上にさまざまなお話を聞くことができたことは、良い学びの場となりました。
詳しくは当日のユーチューブ配信からご覧いただければと思います。
当日の講演はこちらから ※講演は動画開始5分頃から60分頃までです。

午後3時からは、秋彼岸法要。

天候が災いして多くの方のお参りはいただけませんでしたが、非常に充実したご供養だったと思います。

お話しいただいた石井先生には、続編ということでまたお話しいただきたく考えているところです。
今回欠席の方も次回はぜひご参加ください。
おおそうか、とうなずくこともたくさんあると思います。

今日はここまで。



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