さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

みちのく一人旅 3(終)

2012-05-22 18:39:17 | 東日本大震災

 

冷たい雨のなか、バスはを山形駅に到着。思わず身震いするほどの寒さ。 

妹に聞くと、昨日今日はちょっと寒い、とのこと。地元の人は冬もののコートを来て歩いています。

久々の佛性寺。庭のチューリップも寒そうです。

母や妹、姪とクルミ入りの赤紫蘇おこわ、煮物や漬物で夕食を済ませたあと、師匠の7回忌の打ち合わせをします。
平成18年8月1日に亡くなった師匠、今年は7回忌になります。

日程はご導師をお願いした本寺様のご都合を聞いて7月末日に決定してありますので、あとは法事の具体的なスケジュールと、会食や宿泊の手配について打ち合わせ、
そして引物を何にするかも大事なところ。

一周忌、三回忌もともに箱根の寄木細工を引物にさせていただいていますので、今回の引物も寄席木にすることにしました。
お招きする方のところには、これで寄木の三点セットがそろうことになります。

余談ですが、最近は親の葬儀や法事でも、身内であれこれ相談することが少なくなった感じがします。
誰か一人(だいたいは跡取りさん)が決めて、ほかの方は通知を受けるだけ。

兄弟姉妹、心をひとつにして供養の相談をするところから、御法事は始まっています。

「大人になると、兄妹って話をすることが少なくなるからさ、馬場さんも、妹さんに電話したり手紙なんかも書いた方がいいよ」
オーストラリアに住む年長の友人が、彼女の父親の葬儀のあと、何かの折に私に話してくれました。
彼女の兄は父親より先にすでに亡くなっていましたので、あまり連絡をとらなかったことに後悔の念もあったのかもしれません。
父親が亡くなったことで、あらためて兄弟がいない事の寂しさに思いあたったのかな、とも思います。

生前の面倒をみるときも、最期を看取る時も、誰かにまかせっきりというのではなく、それぞれができるところで助け合っていくという気持ちを持つことがとても大事です。
事が起きてから自分の権利を主張しても、結局はぶつかるばかり。
同じ兄弟でも、大人になれば考え方もおのずと違ってくるものです。
ほんのちょっとしたボタンの掛け違いが、大きな誤解や喧嘩の種を生んでしまいます。

話がこじれて収拾がつかなくなってからでは、もう話し合いはできません、遅いのです。
お墓や相続のことで裁判になることも、最近では少なくありません。
介護や葬儀の費用、お墓のこと、大事なことは日ごろから少しずつ話題にしておいた方がよいのです。

兄妹身内で喧嘩してたら、亡くなった方が心配しますよねえ・・

さて、翌日5月4日はご本寺様にご挨拶に赴いてあらためてご導師のお願いをし、さまざまなお話を伺います。
さらに、留守の間に亡くなった佛性寺のご近所の方のところにお参りに。
そして、最近は虹を渡ってちょっと遠くに行くことが増えてきたキンばあちゃんと茶飲み話し。

あっと言う間に昼近くなって次は母と一緒に、農協経営の産直ショップに買い物へ。
おおぶりの天然タラの芽やこしあぶら、出芽ニンニクなど珍しいものをお土産に買いこんできました。

で、お昼はやっぱりお蕎麦、であります。

ああ、ここでようやく、まっとうなソバとの対面であります・・・・うれし泣き。

今回は河北町西里の「あおき」さんで「つったい肉そば おおもり」と「げそ天ざる おおもり」であります。
母の分も大盛りでありますが、多い分はすべて拙僧の分、であります。

  

感動胸に迫り、もはや言葉はございません・・・・・・苦節10数カ月、ただこの「つったえ肉そば」だけを求めて、缶詰を開けたり、ショッピングモールをさまよったりしたのでありますなあ・・・ 

感動冷めやらぬなか、お腹をこなすために近所にお散歩に。
サクランボの花が満開でした。

ビニールハウスの中では、もうたわわに実ったサクランボが収穫の時期を待っています。

      

ウチのお地蔵さま、どなたかの好意で着物を着せていただきました。

ちょうど小学校や幼稚園の通学路に向かってお立ちになっているので、子供たちが毎朝手を合わせてお参りして行くのだそうです。
手を合わせることの大切さを小さなうちから知っていただきたい、という先代住職が想いがかなったようです。

連休の頃はちょうど田起こしが済んだあとのようでした。きっと今頃は、田植えの真っ最中かもしれません。

で、一句。

 寒河江川渡る風受け打つ田かな by rinshou

田んぼの土のにおいと「つったえ肉そば」でこころ満たされた拙僧、帰りの新幹線では熟睡でありました。

      

横浜では、朝から緑色の日差しがあふれています。   こんな穏やかな日が、世界中におとずれますように。

みちのく一人旅は、ここまで。

 



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