JAZZ from Nishinomiya

V・プレミアリーグのJTマーヴェラスを応援しつつ、日々の出来事や雑感を語ります。ときどき毒づきます。

別府の旅_2015.09.19~21_2日目_その3

2015年10月13日 02時46分38秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
【4】ヘビん湯~明礬温泉

ダート道を下り、例の三叉路を明礬温泉方面に下る。ひたすら下る。そして国道500号線に出たらそこは明礬温泉エリア。


次の目的地は「湯元屋旅館」さんの立ち寄り湯。

朝イチに宿の風呂、鶴の湯、ヘビん湯、鍋山の泥湯と黒湯、計5湯も入り、しかもほとんど歩きっぱなし。自分ではあまり感じないものの、疲労は蓄積しているでしょう。それでもあえてここに入りたかった理由は、その泉質。明礬温泉はpH3前後の酸性泉が多い中、ここのお湯はさらに強烈なpH1.8。草津温泉並みです。泉質は「酸性-アルミニウム-硫酸塩泉」で、簡単にいうと「硫黄の香り漂う酸っぱい温泉」です。

つまり、昨日はアルカリの「豊山荘」さんに入ったので、今日は酸性のお湯に入ろう。そういうことでございます。

ちなみに別府には「湯元屋旅館」さんより、さらに酸度の強いお湯があります。

ひとつはすぐ近くにある「山田屋旅館」さん。しかし現在は立ち寄り湯を中止しており、宿泊客のみ利用可なのが残念なところ。こちらのpHは堂々のpH1.7。

もうひとつは、これは明礬から更に離れた「塚原温泉 火口乃泉」。住所は湯布院町で、エリア的には奥湯布院のさらに外れ、伽藍岳のふもと。というわけで、正確には別府八湯ではないのかもしれませんが、かつての「別府十湯」には含まれていたため、スパポート対象温泉でございます。地図上はヘビん湯から西北西に1.5kmの位置なんですが、ヘビん湯からの道はなく、明礬温泉から国道500号線と県道616号線を乗り継いで行くか、大分自動車道を利用するか、いずれにせよ徒歩で行くにはちと距離があります。こちらのpHは実に1.4!日本最強と言われる秋田の玉川温泉がpH1.05なんですが、塚原はそれに次ぐ全国第2位の酸性泉とされています。

なお「湯元屋旅館」さんの道挟んで向かいにある共同湯「鶴寿泉」さんも、pH2.5でかなりの酸性を誇ります(一説には1.7との噂も)。

いずれにせよ、今回俺が行くことのできる中で最も酸性の強い温泉が「湯元屋旅館」さんなわけです。立ち寄り湯は400円/50分で貸切です。浴槽は2つ。

ロド「こんにちは。立ち寄り湯でお邪魔したんですが」
女将「今は露天しか空いてませんがいいですか?」
ロド「お湯は同じですよね?」
女将「はい」
ロド「じゃあいいですよ。何分ほど入れるんですか?」
女将「50分くらいで上がってください」
ロド「了解で~す」
女将「湯船に蓋をしているので、取ってから入ってくださいね」

というわけで、さっそく2階の露天風呂に。


露天といっても屋根はあり、浴槽も2畳程度のこじんまりとしたものですが、そんなことはどうでも良いのです。蓋を取って、かけ湯をして入湯。ここのお湯は「グレーの湯」と紹介しているブログもありますが、俺が入ったときは若干の堆積物はあったものの、ほぼ透明でしたよ。舐めてみると、当然ながら酸っぱい!ただ酸っぱいだけでなく金気もあります。そしてアルカリのようにヌルツルはしないのですが、妙なスベスベ感があるといいますか。ただ、いかんせん成分がきついので、長湯はしない方がよさそうです。こういうのは自分のわからないところでいろいろと消耗してしまうんですよね。というわけで、湯船に浸かるのは延べ15分程度で切り上げることに。

備え付けの固形石鹸で身体を洗うと・・・わかっていたこととはいえ、見事なまでに泡立ちません(笑)

というわけでシャワー(温泉ではなく上水)を浴びて、再度石鹸で身体を洗います。そして泡を洗い流せば・・・おお、なんなんでしょうか、この見事なサッパリ感は。アルカリ温泉は皮脂を溶かしてきれいにするんですが、酸性温泉は例えるならピーリングなんですよね。

なお、身近なもののpHを参考に挙げておきますと、

pH1=サンポール(主な酸性成分:塩酸)
pH2=レモン(主な酸性成分:クエン酸)
pH3=食酢(主な酸性成分:酢酸)
pH4=炭酸飲料(主な酸性成分:炭酸)


だそうですよ。

お風呂上りにスパポートにスタンプを押してもらい、おかみさんと少しお話をして退館。そして猛烈な喉の渇きを覚えたため自販機でファンタグレープ買って一気飲み。いやー、たまりませんわ。


【5】明礬温泉~鉄輪~昼飯~陽光荘

しかしなんだか、お腹が空いてきましたね。もう13時過ぎだ。というわけで明礬の温泉街を一周してみましたが、特に食いたいものがない。「明礬温泉 湯の里」のご飯はとても美味しいんですが、ここからさらに国道500号線(九州横断道路)を登って行かなければならず、パス。というわけで鉄輪方面に下って行くことにしました。

明礬温泉のシンボル的存在、大分自動車道路の別府明礬橋。近くで撮ったら全体が写らず。


参考1:別府明礬橋(Wikipedia)
参考2:別府明礬橋全景

途中のうどん屋などもスルーしてひたすら歩きます。お腹は空いているのに脚が止まらない。ランナーズハイに似たような症状でしょうかね。

そうこうしているうちに、朝方に鶴の湯へ行くときに通った交差点(2つ前の記事の「別府三大秘湯関連市街地図」で、青と緑の道が交差するところ)に出たので写真を。

交差点から鉄輪方面を見る。


交差点から霊園方面に進むと鶴の湯へ。


そこから更に下って坊主地獄の交差点。ここで「豊山荘」さんに向かい、昨日押し忘れたスタンプをスパポートにペタン。それからまた500号線に戻り、どこかでバスに乗ろうかなと思いながら、結局延々と歩く。途中から朝通った道に進路を変えてショートカット。結構疲れながらも鉄輪温泉入口の交差点にたどり着きました。

マルショクで弁当でも買って帰ろうかなとも思ったんですが、その先に「大分県で一番美味しい」と噂の回転寿司があることを思い出し、さらに下って到着したのが「亀正 くるくる寿司」。

【大分グルメ】別府で一番ウマいと評判の回転寿司に行ってみた / 北海道の回転寿司と同レベルのウマさだった『亀正くるくる寿司』
http://rocketnews24.com/2015/04/16/570530/

しかし!14時というのにめちゃくちゃ並んでるやんけ!もう本当にマルショクで弁当か刺身でも買って帰ろうと心折れかけましたが、それ以上に今下ってきた坂をこのまま登り返すのも嫌なくらい疲労&空腹だったので、覚悟を決めて名簿に記名。「1時間以内でご案内できるかと思います」とのことで、缶コーヒーとタバコとネットとメールでなんとか乗り切る。最初は屋外にいたんですが、この日は結構暑かったので途中からエアコンの効いた店内で待つ。そのうち黒板に書いている今日のメニューから関サバや関アジも消えてしまい、いったいなんのために待っているのかよくわからないながらも待ち続け(笑)、1時間後にようやく座ることができました!長かった!

ここは回転寿司ですからコンベアでも回ってくるのですが、ほとんどのお客さんが注文カードにメニューを書いて頼んでいます。俺も食べたいものを10皿ほど注文して、出てくる間に飲み放題の味噌汁を飲んでみました。

これが異様に美味くて驚く。塩分不足の身体ということを差し引いても、美味い。具はほとんどないけれど、1杯50円くらい取っても誰からも文句は言わないであろうレベル。スッキリとして雑味はないけどコクと旨みはしっかりしているという見事なバランス。

さて肝心の寿司は・・・味は総じて美味しいのですが、かといって特別に美味いとまでは感じませんでした。しかし体調の問題もあると思うんですよ。本当に疲れている時って、なにか食ってもあまり美味くないもの。今度は健康体の時に行ってみよう。ひとつだけ思ったのは、タイはやっぱり関西が美味いな、ということ。この日は愛媛のタイだったと思うんですが(いわゆる「みかん鯛」ではなかった)、なんといいますか、旨みがないというか、やっぱりタイは関西の瀬戸内に限る。理由はわかりませんが、味が違うよ。

などと思いながら、なんだかんだで2,000円ちょい食べて、ようやく元気になりました。酒は飲まず。

そのあと、マルショクで晩飯などを購入。炭水化物や油モノはいらない気分だったので、カットフルーツとアイスクリーム、お酒など。一応、保険で緑のたぬきを買いました。宿に戻って冷蔵庫に食材を入れていたら、別の宿泊客がやってきたので、あまりの食材(白菜1/8)を使ってもらえないか尋ねたところ「今日は鍋をするんでありがたい」と、とても喜んでいただけた。こういうふれあいがあるのも貸間の良いところ。

さてそろそろ昼寝をしたいところなんですが、その前に汗など流そうと、宿の斜め向かいにある共同湯「地獄原温泉」へ。ここは受付など一切なく、会員以外は入湯料100円を玄関正面におられるお地蔵さんの賽銭箱に入れます。陽光荘さんは会員なので宿泊者も入湯料無料とのことなんですが、他の観光客などから「あの人タダで入りやがった」とか思われるのもイヤなので、ちゃんと100円払って入りましたよ(笑)

お湯は適温、癖のない泉質で特記することはありませんが(※)、地元の方とのおしゃべりなど楽しかったです。サッパリして30分ほどで上がりました。なお地獄原温泉もスパポート対象施設で、スタンプは「ことぶきや」さんで押してくれます。

※)こないだの記事でも書きましたが、別府は源泉温度が高いので、水道水などを加水して適温にすることが多いんです。だから、正直いうと加水前の泉質を感じられないお風呂が多いのも事実。例えば80度の源泉を43度に冷ますには、単純計算で倍量の水道水が必要になります(水道水を25度と仮定)。つまり3杯希釈ですよ。個性的な泉質でもない限りは、だいたいが「サッパリした癖のないお湯」になります(苦笑)

泉質の面からはありがたい話じゃないんだけれど、温泉文化という意味では部外者が目くじら立てることでもない。自然に湧き出る「熱湯」を古くから風呂に利用してきた、と考えるべきなんですよね。普通の銭湯における「水(井戸水や水道水)を沸かす」という行為が単純に必要なく、逆にそのままじゃ熱くて利用できないので水で埋める、というだけのことです。だから「温泉は源泉かけ流しでなければならない」とかいう、いわゆる泉質至上主義な温泉マニア(まあ俺もどちらかというとそれに近いんですが)とはまったく次元の違うところの話なんですね。

ひとことでいうと、数字やデータとして温泉を捉えるか、風呂における文化や風俗として捉えるか、の違いだと思います。

正直言いますと、俺も「源泉かけ流しだったら尚嬉しいなぁ」とは思いますけど、くれぐれもここは共同湯ですからね。地元の人たち共同の生活湯であって、それを一般人にも安価で開放しているわけです。例えば「湯雨竹を付ければええやん」というのは簡単ですが、それを設置するには場所も必要、配管工事も必要。なにより必要性を地元コミュニティの人たちが感じるかどうかということです。必要であれば、総意のもと、各々が費用を出し合う必要があるわけです。あなたの家の風呂を、今度客人が来るからリフォームしよか、とはなかなか思わないのと同じで、この風呂の持ち主がこの風呂をどうするかという問題なんです。「一般客に開放するのはやめとこか」という選択もあり得るわけです。そこを勘違いしてはならないということですね。

だから源泉かけ流しに入りたければそういう温泉に行けばいいんです。俺も地元で温泉銭湯に行くときは、必ず源泉かけ流しの風呂を選んでます。だけど別府に来たときは、お湯そのものと入浴文化の両方を楽しみたいから、共同湯であったり源泉かけ流しであったり山奥の露天風呂であったり、いろんなバリエーションを楽しんでおります。昔に比べて、俺もそのへんはあまり意固地にならなくなりましたよ。一時期「塩素消毒している道後温泉なんて行きたくもねぇ!」と思ってましたけど、最近はあの本館の建築を見に行って、ついでにひと風呂浴びたいなぁって誘惑に駆られてます(笑)。要は、塩素消毒に勝る魅力があればいいってことですよ。

それはともかく、地獄原温泉から戻ってマルショクで買ってきたアイスクリームを食べる。関西では売っていない「ムース」というラクトアイス。


自分の住んでいる地域では売っていないものを食べるのは楽しいものです。特に九州や北海道には関西で売っていない商品も多く、「ムース」もそのひとつ。九州には竹下製菓という(九州地区では)超メジャーな老舗アイスメーカーがあり、これも竹下製菓の商品だと思って買ったわけですが、実際には株式会社セリア・ロイル(旧・ロイヤル食品株式会社)の商品でした。ちなみにこのセリア・ロイル社は、「ロイヤルホスト」や「てん屋」を展開するロイヤルホールディングス株式会社のグループ会社です。

で、この「ムース」。存在そのものは知っていたものの、食べたのは初めて。じつは数年前に全国のセブン・イレブンで販売されたそうですが、俺は普段ファミマかサークルKサンクスしか利用しないので知りませんでした(そういやこの2つは合併するらしいですね)。

味は、というか食感含めてなんですが、「アイスのようでアイスでない」。いえ、ラクトアイスですから分類上はまごうことなきアイスなんですけど、ババロアを半分凍らせたというか、ゼラチン入りのバニラアイスというか、なんにせよ独特の食感。そして本当に溶けないんですね。九州の学校の給食ではよく食べられるそうですが、関西では類似するものすら思い浮かばない。

好みは分かれると思いますよ。俺は2/3ほど食って胸いっぱいになりました(笑)

そして2時間熟睡、完熟でございます。

目が覚めて、なんでしょうか、この全然爽快ではない感じ。ダルいし気持ち悪いし。

1. 普段あまりやらない運動を行ったことによる疲労
2. 入浴過多に寄る湯あたり、湯疲れ
3. 日焼けによる免疫力低下

といったところでしょうかね。

というわけで、とりあえずテレビ見ながらカットフルーツと蒸し卵を食べ、布団を敷いて早々に寝ました。昼寝をしたのに朝まで熟睡でした。


以上、2日目終わり。長々とおつきあいありがとうございました。


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