アルファ波な舞台

アロマトリートメントを受けたり、リフレクソロジーを受けるととても気持ち良くなり、アルファ波が出ると言われていますね。
私はこの類のトリートメントを受けるのが大好きですが、これ以外にも、
「今、私の脳波を測ってもらえたら、きっとたくさんのアルファ波が出ているに違いない」
と思える時があります。

歌舞伎好きな事は前にも書きましたが、得に坂東玉三郎の踊りを見ていると、上記のような状態に絶対なっていると思うのです。
先週、歌舞伎座に行って来たのですが、玉三郎の「鷺娘」という踊りを見ました。
この踊りは何度見ても、ふぅ～っとため息が出るほど美しい。
舞台は真っ暗、雪がちらちらと降る中、白無垢の衣装に傘をさした鷺娘＝玉三郎氏が現れる訳ですが、
もう、人間じゃないんですよ。ほんとに、鷺なんです。たまに河川敷に来てたりする鷺です。
足さばきや羽を広げる様が本当に鳥のように見えてしまう。玉三郎の舞踊の技術の高さが、見る側をここまで引付けるのでしょうが、息を殺して見てしまう、そんな感じです。

途中、何度か衣装を変えるのですが、引き抜きといって、衣装に仕掛けた糸を引き抜き、下に着込んだ衣装をパッとあらわします。最初の白から真っ赤にかわります。この色彩美がこれまた素敵！
日本人の色に対する感性っていいなぁと思います。
余談ですが、この「引き抜き」結婚式の花嫁衣裳でやったら、時間短縮になるのになぁ・・・なんて思ったことがあります。すごい、余談ですいません。

最後は矢が刺さる設定なのか、肩に赤いものが・・・、そして雪の降る中、倒れて死んでゆくという踊りです。
カクカクしてない踊りとでもいいましょうか、ふわ～ふわ～としていて、力が入っていなくて（踊っているご本人はそりゃ大変なんでしょうが）、見ているこちらを気持ち良く舞台に引き込んでしまう、玉三郎の踊り。先週の舞台では、幕が降りてからも、しばらくは拍手が鳴り止みませんでした。
終わったあとは、「うわぁ～～、綺麗だったね～、凄いね～、この世のものとは思えないね～」
私の頭の中は、アルファ波でいっぱいなのでした。（多分）
あの瞬間、歌舞伎座全体がアルファ波で溢れていたと思うのですが・・・。(多分）

機会があったら是非見てみてください。
あなたもきっとアルファ波が・・・！