朝の惨劇

あくどい顔。

　ロッテは普段、朝5時に起きます。
そしてグルグル喉を鳴らしながら、ベッドに寝ている人間の
足をひっかく＆噛みついて起こし、餌をねだるのです。

　普段ロッテは5時に餌を食べると、もう一度戻ってきて二度寝するのですが、
今朝は私も寝ぼけていて、寝室の引き戸を締め切ってしまいました。
それから約3時間後、ドアを開けると真正面にロッテが座っており、
こちらを睨んでいる（ような気がする）ではありませんか。

　いやーこれは怒っとるわー！　ごめんよー！　と思い、餌でつりました。
ロッテが食べている間にリビングに行くと、なんということでしょう。
いったい誰がどのように暴れたらこうなるのだ！
というくらい散らかっていました。

　もちろんリモコン入れはひっくり返り、
窓辺に置いていたろうそく立てはリボンがはがされ床に転がっており、
ばりばり爪をといだのか、壁紙くずがあちこちに散らばっていて、
その上トイレにはフンが……。しかも砂を盛大にまき散らしています。

　部屋に入れなくて腹がたったのは分かるけど、ここまでやるとは。
さすがヤンキー猫です。

お留守番

　夏休みを取って、4泊5日で台湾に行ってきました。
ちょうどHの留学生仲間が里帰りしており、おうちに泊めてもらったのです。

　この台湾旅行は、ロッテが我が家にやってくる前に決めていました。
そこで困ったのは、留守中ロッテをどうするか。
私はキャットシッターさんにお願いしようと思ったのですが、
ケチなHは「もったいない」と首を縦に振りません。
「は!?　じゃどうせーというんじゃ！」と訊くと、
「友達に面倒を見てもらう」という案を出してきました。

　これまた留学生仲間で、夏休みに帰省していないYに、
アパートに泊まってもらい、ロッテの世話をさせるというのです。
そんなこと迷惑じゃん！　と日本人の私は思ってしまいますが、
「Yのアパートは半地下でカビだらけだし、狭いから、
ほかのところに泊まるのはいいことだ」というのです。

　というわけで、Yに泊まってもらうことに……。
前日、一度家に来てもらってロッテと顔合わせをしました。
相性があわなかったらどうしよう、とちょっと心配したのですが、
ロッテは人好き（時々飼い主が誰かわかってんのか？　と思うほど
お客さんに愛想を振りまきます）なので、まったく問題なしでした。

　昨日帰ってきて、Yに「ありがとう！　大変だったでしょう？」と訊くと、
おりこうさんにしていたとのこと。しかしやはり、朝は
ひっかかれ、かみつかれて起きたそうです。

　そしてYにたっぷり餌をもらったのか、ロッテはややでぶ猫になっていました。
体重、1755グラム…。

ヤンキー決定

これをやると、重すぎて落ちるようになってきました。
現在1517グラム。


　前回から3週間。2回目の3種混合ワクチンを打ちに行ってきました。
自転車の前かごにキャリーケースを載せて自転車をこぎ始めると、
ニャーニャー鳴きわめくロッテ。
ふだんからおしゃべりではありますが、こんなに鳴くのはやはり
「外に連れて行かれる＝お医者さん」と分かっているからなのかもしれません。


　そのくせ、動物病院に到着すると、ぴたりと鳴きやみました。
診察室でも一言も発せず。看護師さんから「びっくり目になっていますね」
と言われましたが、注射の時もじっとしていたので「強い」とほめられていました。

　何か気になることはないか、と訊かれたので、噛み癖とひっかき癖について訊いてみました。
やはり怒っても意味がないので、私を噛んだらHが大きな音を立てるなど、
「噛むとなんかいやなことが起こる」と仕込むしかなさそうです。
「女の子は気が強い子もいますからね」と先生。
（人間と同じやなーと心の中で笑ってしまいました）

　そうなのです。きっとロッテはヤンキー猫。
小さい時は黒い部分が多かった毛皮も、どんどん茶色部分が増えてきて、
（尻尾はグレーの縞々に。なぜ!?）まるで脱色しているかのよう……。
ごはんを食べるときの目つきもやや悪く、Hははっきり「ヤンキー」と呼んでいます。

　ヤンキーロッテ、決定。

噛み癖、ひっかき癖、シンク入り癖

BEFORE　

AFTER　

現在1500グラム。大きくなったのぉ、ロッテ。


　相変わらず、ロッテの噛み癖とひっかき癖がとまりません。

　ロッテはだいたい朝5時～6時に起きて、餌が欲しいがために
私たちのことも起こそうとするのですが、
それが「ニャア」と鳴いたり顔をなめたりするのではなく、
人間の手足をひっかいて噛む、というものなのです。

　子猫といえども、正直痛い。
なんとかやめさせようとしているのですが、いくら「ダメ」と言ってもききません。参りました。

　ひっかき癖は噛み癖ほどひどくはないのですが、
せっかく麻縄爪とぎ付きのキャットタワーを購入したのに、
そちらでは爪をとがず、壁紙で爪をとぐのであちこちボロボロに…。
いざとなったら猫用壁紙に貼り替えるしかないのか、と思ってしまうほどです。

　そしてもうひとつ、シンクに入る癖が……。
どうやら私が台所に立っていると、ごはんの準備をしている＝自分も何かもらえる、
と思っているらしく、カウンターに乗ろうとしてニャーニャー騒ぐのです。
危ないので、キッチンカウンターはロッテ出入り禁止。
というわけで乗ろうとしたら、水鉄砲をかけています。
水をかけられるとすぐにどこかへ消えるのですが、
問題は我々ふたりが何かに夢中で台所を見はっていないとき。
先日、ロッテが我が物顔でカウンタートップを歩き回り、
挙句の果てにシンクに入って飲み残しの水をグラスから飲んでいるのを見つけてしまいました。

　やっぱり元野良猫だけあって、ゴミ猫なのか、ロッテ……。
（来た当初、Hはロッテのことをよく「ゴミ猫」と呼んでいました。ひどい）

キャットフードって高い…

ロッテの方が我々よりもいいものを食べている…


　内田百ところの猫は、小アジの筒切りやすし屋の卵焼き、ひらめの刺身を食べていたし、
向田邦子のマミオはトビウオや紀ノ国屋の鶏肉を食べ、
金井美恵子のトラーは甘エビやほたてを食べていました。

　貧乏な我が家のロッテは、そんなものは食べさせてもらえません。
普段はドライフード、たまーにモンプチ缶やささみのゆでたのです。
しかもドライフードは、引き取ったときに頂いたものなのです。

　そろそろドライフードがなくなりかけてきたので、
新しいものを買わねば……どうせなら食べ慣れている
今のものを継続したほうがいいよね、とネットで探してみました。


そして震撼しました。

た、高い……！

2キロで約3000円……！

うちの食費1日分より、高い……！


　そうです、いただきものはプレミアムフードだったのです。
そうとも知らず、ばかすか食べさせて本当に申し訳ありませんでした…。
（とここで謝罪…）

　Hも絶句し、「安いのにすれば」と言いますが、
「ノラや」を読んで猫がいなくなった飼い主の喪失感はんぱねー！
とびびったので、長生きしてくれるよう、ニュートロナチュラルチョイスにします……。