WiiUがハードソフト共に伸びず、DS時代の3分の1の売上になったとのこと、
逆に言えば、DS時代が好調すぎたとも言えるでしょう。
スマホの台頭やゲームの課金ビジネスの変化などが原因とされますが、
私個人的な経験から原因として思うことは2点あります。
一点目はハード参入に厳格ゆえに、開発会社やソフトを絞りすぎて
結果的にユーザーが求める多様性を失ったのではないかということです。
任天堂が出すソフト、またサードパーティ等から出るソフトはすべて
任天堂のお墨付きが与えられたもので、極めてクオリティが高いものです。
その背景には企画段階から厳格なプロセスを経ているからで、それゆえに
高品質を維持しているわけですが、一方でエリート優等生ばかりの集団に
なってしまった感もあるのではないかと。
例えば、ファミコン時代などは様々なソフトが乱舞してリリースされており、
中にはとんでもなくゲームバランスが悪かったり、マニア向けだったり、
完成度やクオリティが低いものも多々ありました。一方でそれが個性的だったり
そんな中でユーザーは多様な中から自分の好きな選択をするという楽しみが
多くありました。また、あのゲームひどいよねーと言いながらも、実はそれが
結構好きだったりという経験も誰もがあるでしょう。
先の喩えでは、クラスでも中にはすごいいたずらをする子供がいたり、少し
乱暴なガキ大将がいたりするから、全体が面白いところがあるのであって
優等生ばかりのクラスでは安心ですが、物足りない面もあるでしょう。
ゲームのラインナップも同様で非常に難しいバランスで、乱暴者ばかりでは
もちろん困るのですが、優等生ばかりでも微妙なのだろうと思います。
任天堂のソフト開発は一貫してユーザーが安心して遊べるゲームをというもので
大変素晴らしいと思いますが、開発会社に対しては門戸を狭めすぎた点は
あると思います。
二点目は任天堂というより、ゲーム業界全体のことですが、DSブームに
乗っかりすぎたという反省はあるでしょう。当時は脳トレをはじめとした
ライトユーザー向け、お役立ちソフトが全盛だったので、開発会社も
ゲームを作らずにそうしたソフトを右に倣えで作っていた、また、
作らざるをえなかった面があります。
その結果、本来のゲームソフトの開発に割くリソースは減少し、
魅力的な新作ゲームは少なくなり、ユーザーは離れるという悪循環が生まれた点は
否めないでしょう。RPG風に言えば、開発会社全体のゲーム制作経験値が
DSブーム期間に獲得できなかったので、今そのツケが来て苦戦しているという
感じでしょうか。お金は入っても経験値を得ていなかったら次のダンジョンでは
苦しいですよね。
なので、今もソーシャルブームが一巡して、また新たなフェイズに入ったと
思いますが、一過性のブームに乗らずに、各々が思う本質的な面白さを
追求していくことが制作側にとっては大事だと思います。
そして、制作側だけでなく、ユーザー側もしっかりとゲームを見て
一過性のブームに乗らず、自分の目で判断していく意識が大切でしょう。
ユーザーが見てくれてないと、制作側は目先の収益に走るケースは多くなります。
逆にユーザーが良いゲームをしっかり評価してくれているならば、
制作側もそれに応えようとするでしょう。
その意味でゲームに限らず、全てののエンターテイメントに共通ですが、
受け取り手のユーザーの意識はとても大切と思います。
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