らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1537.I'LL CRY INSTEAD

2010-01-20 | 12.THE BEATLES
 ‘I'll Cry Instead’。邦題「僕が泣く」。秀逸なネーミングです。
「僕が」の「が」が、“Instead ”の訳なのですね。付き合っている
彼女に対してそうしたいことがいろいろあるのだけれども、「そうは
いかない。だからボクは泣くんだ」と。

 この曲も、以前にご紹介した‘It's Only Love’と同様、UK盤の
“A HARD DAY'S NIGHT”B面2曲目の収録というよりはむしろUS盤
“SOMETHING NEW ”A面1曲目の収録という印象が強い曲です。全体
的なアレンジは「カントリー&ウエスタン」風味です。このあたりが
US編集盤でトップにフィーチャーされた理由でしょうか。

 ‘I'll Cry Instead’では、わずかですがポールのベース・ソロを
聴くことができます。この曲は1964年 6月 1日にレコーディングされ
ましたが、同じ日の‘I'll Be Back’のレコーディングの後、4人は
このように会話しています。
(注:この日はカール・パーキンスがスタジオに来ていました。)


(‘I'll Be Back’の収録を終えて)
 MARTIN:お疲れさま。ボーイズ。素晴らしいじゃないか!
 John :先生にそう言われりゃ、オレさまもたいしたもんだな。
     なぁ、「カール・ハリスン」さんよ。
 George:え? でもね、緊張しちゃったよ。だって、カール
     パーキンスの前でギターを弾くなんてさ。
 Ringo :でもさ、ジョージ、よくやったよ。
 John :リッチー、おまえもな。
 George:なんてったって、リンゴはね。‘Match Box ’を
     歌ったんだからさ。
 Paul :あ~あ。今日は出番が少なかったな~。
 John :んにゃ。‘I'll Cry Instead’のベース・ソロは
     すごかったぜ。
 Paul :ありがとう、ジョン。
 全員 :ともあれ、今日はお疲れさま!
 John :オレさまは明日また新曲をひっさげてここへ
     “I'll Be Back”さ!
 
 「ジョンのリーダーシップ満載!!」てな感じですね。この曲は、
ジョンの作品でもともと「映画用」に作曲されたのですが、ディック
レスター監督が気に入らず、映画には使用されませんでした。

 John :ディック・レスターは、この曲が使われる予定だった
     場面に‘Can't Buy Me Love ’をもってきたのさ。
 
 US盤“SOMETHING NEW ”のモノラル・ヴァージョンは、3番まで
演奏した後、もう一度1番を繰り返す「ロング・ヴァージョン」です。
レコーディング時にヴァースAとヴァースBを別々に収録しておいて
編集時の自由度を高めたのですね。現在では当たり前の手法ですが、
45年前にこの手法を既に採用していた事実は、ジョージ・マーティン
氏やそのスタッフがいかに進んでいたかを示すものだと思います。
 


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2 Comments

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何も知らなかった昭和50年代 (mensurazoirri)
2010-01-20 01:18:07
昭和58年にCapitolのLP“A Hard Day's Night”を
入手した際に「…んっ?長いぞ??」と気づいた曲が
この‘I'll Cry Instead’でした。

モノラルとステレオのヴァージョン差異など殆ど
知らなかった時代でした。
(少し前にモノラル限定カラーレコードが発売され、
ようやくファンの関心が向き始めた頃でしたね。)
返信する
LPの時代 (らば~そうる)
2010-01-20 21:10:25
to:mensurazoirriさん

昭和58年といえば・・・以下自粛。

レコード全盛期でしたね。
YOU&Iなんていうショップが近くにあり
よく借りにいってました。

ビートルズものはさすがに購入していました♪
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