らば~そうる “IN MY LIFE”

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1964.食品の暫定規制値について調べてみた

2011-03-23 | 99.Weblog
 東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故の影響で
複数の自治体の食品から食品衛生法に基づく食品の暫定規制値を超え
る放射性物質が検出されました。

 政府がほうれん草や牛乳などを出荷制限したために、生産者及び、
消費者が大混乱になっています。単なる「数値」だけでは意味合いが
わかりません。そこで、数値の持つ意味を調べてみました。

 国際放射線防護委員会(ICRP:International Commission on
Radiological Protection )の定める指標に基づき、日本では食品衛
生法が飲食物の暫定規制値を定めています。例えば、放射性ヨウ素と
放射性セシウムについては、以下の通りです。

放射性ヨウ素
 牛乳、飲料水など      300ベクレル/Kg
 野菜(根菜・芋類は除く) 2000ベクレル/Kg

放射性セシウム
 牛乳、飲料水など      200ベクレル/Kg
 野菜など          500ベクレル/Kg

 「ベクレル(Bq)」とは何でしょうか。原発事故発生以来、報道
でさかんに専門家が使用している用語(単位)です。ベクレルとは、
放射能の強さ(=1秒間に原子核が1個崩壊する数量)を意味します。
つまり「発信体」からみた尺度です。人体への影響などを考える場合
「受信体」からみた尺度が必要です。その尺度をシーベルト(Sv)
といいます。ややこしくなりましたが、頑張ってください。この両者
ベクレルとシーベルトは「放射能を発する度合い」と「放射能の影響
を受ける度合い」との相関関係になります。まとめると、人体への影
響を考える場合、ベクレルをシーベルトに換算する必要があります。
換算式を以下に示します。

 mSv=Bq×(実効線量係数*)

 *実効線量計数:経口摂取の場合
   ヨウ素では  2.2 ×10-5(10のマイナス5乗)
   セシウムでは 1.3 ×10-5(10のマイナス5乗)

 計算してみましょう。ほうれん草など葉物の野菜に対するヨウ素の
暫定基準値「2000ベクレル/Kg」は、約0.044ミリシーベ
ルトです。思い出してください。福島第一原発事故で現場で作業に携
わっている方々を。緊急作業者の許容被曝量は250ミリシーベルト
でした。一般的に健康への安全値とされている値は、100ミリシー
ベルトですが、先の値はこの値の2300分の1です。しかし、その
値だからどうなのだということがよくわかりません。それは時間的な
要素、継続的な条件についてあまり触れられずに、瞬間的な数値のみ
クローズ・アップされているからではないでしょうか。

 また、定量的な数値を示されることは、確かに科学的な根拠を示す
ひとつの道筋になるかと思うのですが、受け取る側がその数値の意味
合いをよく理解しないと、かえって混乱を誘発することになるのでは
ないかと思います。

 もっとも、このことは先の国際放射線防護委員会(ICRP)が定
める指標に依存しており、その値を信用することが前提です。「暫定
規制値」という響きにも不安を感じます。なぜならば、基準値自体が
変わっていくような印象を受けるからです。

 それにしても、「出荷停止」の発令だけでは生産者・消費者諸とも
不安に陥ります。その上で「冷静な行動を!」と言われても・・・。
それこそ、放射能ではない、別の目に見えない恐怖が次第に蔓延しな
ければよいのですが・・・。

 

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