らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1025.柿の葉すし

2008-08-26 | 52.The Past
 ビジネスで、関西方面に出張することがあります。その際、帰りの
新幹線の中で食事をするために、よく「柿の葉すし」を買います。

 柿の葉すしと初めて出会ったのは、高校生の修学旅行の時でした。
奈良から京都への移動のバスの中で、お弁当が配られて食べた記憶が
あります。

 柿の葉すしは、吉野や奥吉野に住む人々にとって先代から受け継が
れた伝統ある「食」です。熊野灘で水揚げされた鯖を塩付けし奈良へ
「輸送」しました。もちろん人力でです。浜でかごにつめられた鯖は
背負われながら嶮しい山道を通り、難所の谷川を経由して各村々へ運
ばれたのです。ちょうど、それは今の熊野街道、国道 169号線付近の
ルートであったと思われます。現在でもなお嶮しい山間のルートです。

 運ばれた鯖をこの土地に人々は、ごはんの上にのせ、まわりにある
「柿の葉」に包み、重石で圧力をかけ熟成させました。できあがった
「おすし」は、祭礼の日などに出されたとのことです。

 柿の葉すしに巻かれた「緑が濃く分厚い柿の葉っぱ」を見るたびに
学生時代に習った『万葉集』のこの歌を思い出します。

 家有者 笥尓盛飯乎 草枕 旅尓之有者 椎之葉尓盛

                     (有馬皇子)
 家にあれば 笥に盛る飯を 草枕
  旅にしあれば 椎の葉に盛る

 もちろん、歌のシチュエーションや葉の使用用途こそ違いますが、
サラリーマンが出張の新幹線の車両の中で静かにいただく柿の葉すし。
なんとなく「わびさび」を感じませんか。

(注意:上の歌には「神に飯をささげる」という解釈もありますが、
 ここでは、「飯をいただく」という解釈に基づき記述しています。)
 
 さて、場面は「高校生の修学旅行のバスの中」に戻ります。みんな
で楽しく「柿の葉すし」をいただいた後、残った「柿の葉」について
「あ~だ、こ~だ」言っていると、Eくんのお弁当の箱が「カラ」に
なっています。柿の葉っぱがありません。Eくん曰く。

 あれっ、柿の葉っぱも食べるんだろ。
 うまかったよ。



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2 Comments

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押し寿司 (タケチャン)
2008-08-29 20:42:48
僕も新大阪駅の1階コンコースの売店で買ったことあります。
関西風の押し寿司で、酢がほどよく聞いた鯖すしですね。鮭も混じってることあるけど。
ビールの肴にも合うし。

柏餅の葉を食べる人もいますからね。
柿の葉も同じ感覚だったのかな。
返信する
葉っぱ (らば~そうる)
2008-08-30 23:39:46
to:タケチャンさん

オリジナルの味は塩からいものだったようですね。
それを酢で「寿司飯」のほどよい味に変えたのは
ひとつの「アイデア」ではないでしょうか。

葉っぱは1枚なら・・・。
でも8枚(8個入り)全部食べるのは超人技だと思います。
返信する

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