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【PAUL McCARTNEY】
'Yesterday 'を発表し世界に衝撃を与えたポール・マッカートニー。
当時、世界が彼の「次なる作品」に注目していたであろう。佳曲が多
い中、私はやはり"REVOLVER"における'Here,There And Everywhere '
に彼の才能と繊細な心を見た。
恋人との永久(とわ)の愛を誓う佳曲
どういう状況であっても、恋する二人はお互いに相手に対し「そば
にいて欲しい」と願うであろう。このような恋人たちの願いを「素直」
にポジティブに表現するところが、いかにもポールらしい。この頃の
自分に対してポールは、「女の人と暮らしてみたい。そんな年ごろだ
った。」と述懐している。このような、女性に対する純粋な気持ちが
この曲のポールのヴォーカルによく現れていると思う。とても誠実で
心のこもったヴォーカルであると思うが、いかがであろうか。
ADTを使わず、自力で「ダブル・トラック」のボーカルをうまく
こなすポール。リフレイン最後の方のフレーズ'Each one believing
that love never dies Watching her eyes 'の箇所は、偶然だと思う
が、ここだけユニゾンが崩れ、見事なハーモニーになる。この意外さ
が新鮮、つまり何度聞いても厭きない所以、「深さ」なのである。
ジョンとジョージのギターは「ダブル・ストラト」である。ジョン
は、「とがった音」によるアルペジオと1弦~3弦を使用したカッテ
ィングのコンビネーションである。もっともこのコンビネーションは
毎度のことであるが、予め楽譜には記載されていない、彼のその場の
感性によるプレーである。ジョージのストラトはジョンとはいくぶん
異なる音である。トーンを絞った「丸みのある音」である。中間部の
B♭メジャーになる部分のリフをユニゾンで奏でている。この時期で
は珍しいヘフナーによるポールのフィンガーピッキング、リンゴのハ
イハットのペタルワークによるリズム取りも優しい響きである。重厚
なコーラス、フィンガースナップ等、4人の最強アンサンブルである。
これらの曲作り、詩作面、またサウンドのイメージから、この曲を
「結婚式のBGM」として採用されるビートルズ・ファンの方も多い
のではないだろうか。
【追伸】
2006.02.05付の米紙『ロサンゼルス・タイムズ』の中で、ポールは
ジョンへの敬愛の思いを語るとともに、ビートルズ時代の自作の中で
もっとも好きな曲は、'Here,There And Everywhere 'だとしている。
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