愛知県犬山市にある、大正8年創業の老舗旅館「迎帆楼」
当初は木造の料理旅館でしたが
昭和50年代には、60近い客室を有する鉄筋の建物に改築され
天然温泉、宴会場も備え、団体客に人気の宿だったそうです。
私の従妹はここで結婚式をしましたし
同窓会をやった友人もちらほら。
父は会社の宴会でよく使ったそうです。
泊まらなくても食事だけでもOKだったので
法事や祝い事で、ここを利用する人も多く
犬山市近郊にお住まいの方でしたら、1度は行かれた事があるのでは。
しかし、そんな迎帆楼も、建物の老朽化に伴い、料理旅館としてだけでは
時代の流れに合わなくなったようで、経営不振が続き
創業100年を目前にして、2014年に閉館。
それを新聞で知った母が「とうとう迎帆楼もつぶれちゃったねぇ~」と
昔を懐かしみ残念がっていました。
そんな迎帆楼が、2017年7月に新しく生まれ変わる・・・とニュースで知り
HPを見てみると、60室もあった客室を、たった10室に。
おまけに、1泊1万円代の宿だったのが、高級宿に路線変更。
犬山で1泊4万円????!!
ないない!絶対ない!
知多や鳥羽ならいざ知らず、あのマイナーな犬山に1泊4万もする宿を
作るなんて、何考えとるの~~~??
誰が泊まるの~~??
最初聞いた時は、正直そう思いました。
名古屋から車で40,50分で行けちゃう愛知県犬山市。
名鉄電車なら、名古屋駅からたった25分で到着。
観光と言えば犬山城と明治村かモンキーパークぐらい。
名古屋市近郊の幼稚園や、小中学校の遠足の定番。
そんなご近所の犬山市に1泊4万越えのお宿が。
最初HPで「料金表」を見て、2人分の料金??と思っちゃったがね。
多分表面的だけ「高級」を装った「高級もどき宿」に違いない!?
おまけに名古屋人なら誰でも知ってる冠婚葬祭の「平安会館」「マリエール」を運営する
あの平安閣が、迎帆楼と業務提携してオープンさせたらしい。
葬式と結婚式だけやっとればいいのに、旅館業にまで手を出したか・・・
あれこれ頭の中で妄想する私。
ところがHPが完成し(最初は客室の紹介が、写真ではなく絵でした)
客室の写真を見てみると・・・あれ~~~? 意外にいいじゃん!
ちょっといいじゃん!
いやいや・・・かなりいいじゃん!
だんだん興味が湧いてきました。
そんな時、タイミング良く?親戚の法事が犬山であり、車椅子の母を連れて行かなければならず
今までなら100%日帰りでしたが「迎帆楼に泊まってみようか」と・・・チラチラと脳裏をかすめ
試しに母に言ってみると、懐かしがってとても喜んだので(母の中では昔の迎帆楼)
娘と3人で予約を入れたわけです。
正直・・・4万も出して、ハズレだったらどうしよう??と
行くが行くまで不安でした。
友人に「犬山で泊まってくる」と言うと、5人中5人が
「犬山で泊まる??あの犬山で??」と全員から呆れられ
ダンナにも「犬山で泊まるところなんかあるんか?」と言われる始末。
なんだかかんだかと、前置きが長~~~くなりましたが
結論から言うと・・・
想像以上に良いお宿でした!
ハズレではありませんでした!
フロントデスク。
フロント横には、スーベニアスペース。
尾張・美濃地方で活躍する工芸作家さんの作品が並び
お着きのお菓子として客室に用意されていたオリジナルのお菓子が
お土産として売られています。
ウエルカムドリングは、緑茶と、地元の和菓子屋さんに作らせたという
栗きんとんが間に挟まった和のミルフィーユ。
スタッフさんの着物がとてもオシャレだったので、聞いてみたら
京都の「SOUSOU」のデザインの着物なんだそうです。
京都の老舗提灯屋「小嶋商店」が手掛けた提灯が灯るラウンジ。
ここのお宿、あちこちに提灯が飾られています。
この提灯があるだけで、洋のラウンジが、落ち着いた和の空間に。
私は一度も迎帆楼に行った事がないので、比較はできませんが
建物の場所と名前は同じでも、中身も外観も、もう完全に別のお宿になったんですね。
無料のドリンク類が置かれています。
珈琲は「ブルーボトルコーヒー」
お菓子はなかった。
フランスの紅茶ブランド KUSMI TEA(クスミティー)が
置いてあるお宿は初めてかもしれません。
缶が可愛いので、置いてあるだけでインテリアになりますね。
ブルーボトルコーヒーやクスミティー・・・なかなか頑張ってます!?迎帆楼。
スタッフさんが話してくれたのですが
はたして犬山で1泊4万も出して、お客様が来てくれるのか?
でも、ありきたりの宿では今までと同じ。何か差別化を図りたい。
そこで悩んだ末に設定した1泊4万以上の料金は、ある意味大きな「賭け」なんだとか。
オープン前、愛知県近辺の「海のしょうげつ」「ジ・アース」「ばさら邸」に宿泊して
いろいろと情報を集め、勉強されたんだそうです。
眺望は木曽川。少し行くと鵜飼いの乗り場があります。
そして外せない「犬山城」
さて客室はどうだったでしょう。
新装「迎帆楼」は、満足いく滞在になったでしょうか。
次に紹介しますね。