「熊野古道に行ってみたい」とダンナがしつこく言う。
「あの石畳を歩いてみたい」 と言う。
近所のコンビニにも車で行くダンナが
あんな山道を歩けるわけがない。
私だって山登りなんて絶対嫌だし絶対無理だし・・・(ーー;)
「熊野には世界遺産がたくさんあるんだぞ」とダンナが言う。
「熊野には私好みの宿がまったく無い」と私が言う。
私にとって「世界遺産」なんて二の次・・いや、三の次、四の次。
なので、そんなダンナの言う事など、ここ1,2年、右から左に聞き流していた。
ところが、たまたまネットで見かけた上の写真がなかなか素敵で
どこの宿かと調べてみたら・・・・「里創人 熊野倶楽部」
りぞーと くまのくらぶ
あの熊野古道のある熊野にある宿でした。
口コミを見ると、良い口コミがとても多く
だったらちょっと行ってもいいかも・・・と思い始め(ゲンキンな私)
ググってみると、一休でタイミング良く「熊野倶楽部」の安いプランが出ていて
おまけに「語り部付き熊野古道ツアー」まで無料で付いていたので
たまにはダンナに付きやってやるか・・・と、優しい私はポチっと押した。
熊野倶楽部は広大な敷地に建物が点在しています。
下の写真はロビー(帳場)棟。
オープンして9年・・・ややペンキが剥げていますが
なかなか雰囲気の良い佇まい。
フロントと呼ばずに「帳場」だそうです。
ウェルカムドリンクは出てきませんが
セルフで珈琲が飲めるようになっていました。
駐車場からフロント棟は結構離れているので
チェックインの時刻になると駐車場にマイクロバスが待機。
それに乗って帳場へ。
チェックイン15時。アウト11時。
客室は、「本館」と「離れ」があります。
本館はロビーに行くにも、食事処へ行くにも
大浴場へ行くにも、便利な場所にあります。
こちらは離れ。
歩いても行けますが、マイクロバスが巡回していて
言えば、送ってもらえます。
「アマネム」の庶民的バーション?
離れは「新月庵」14棟 「満月庵」6棟
1つの建物に2室ずつ。
こちらは「新月庵」 ペンキ・・・そろそろ塗り替えて欲しいわ~
60㎡ 和洋室。
こたつもあり、ほっこり系。
寝室は別室ではなく、同じスペースの奥に。
残念ながらここのお部屋のお風呂は、ユニットバス。
冷蔵庫は空っぽ。
ミネラルウォーターは1人1本無料。
お茶とお茶菓子がセットされていました。
こちらは「満月庵」
敷地の一番奥に、3棟建っています。
1棟2部屋なので、全部で6室。78㎡。
客室の中で一番広く、お値段も一番高いお部屋です。
高いといっても・・・平日なら1泊14000円程度。(時期にもよりますが)
この日は全室埋まってました。
「新月庵」との違いは、寝室が別になっている事と
キッチンがある事と、露天風呂がある事。
あと、ミネラルウォーター以外に、無料コーヒーパックが2個。
2夫婦で行ったので
この部屋で4人1室にしようかと思ったのですが
2名1室キャンペーンをやっていて
4名1室より、2名1室の方が安かったんです。
(おかしな話ですが)
なので、「満月庵」と「新月庵」と2室予約しました。
1人1000円程度の差しかなかったので
広いし、露天風呂もあるし「満月庵」の方が断然コスパが良いですね。
ただし露天風呂は温泉ではありません。
でもユニットバスよりははるかにイイです。
大浴場(温泉)までは、部屋から歩いてもいいし
呼べばマイクロバスもすぐ来てくれます。
「湯浴みぼっこ」立ち寄り客も受け入れています。
立ち寄り湯は750円だったかな。
あまり広くはありません。
宿泊客は最終23時まで。
朝は6時~9時半まで。
タオルやスキンケア類はすべて揃っています。
宿泊者は風呂上りに牛乳1本サービス。
食事処は、フロント棟の2階。
完全個室の部屋はありませんが
暗めの照明でなかなかオシャレな雰囲気でした。
1泊14000円もしなかったので、料理はあまり期待していなかったのですが
高級食材こそ使われていませんが、なかなか凝った料理が多く
見た目もキレイで、板長さんの心意気を感じました。
朝食も同じ食事処ですが、夜と同じで暗いんですよ。
朝はもう少し明るい場所で食べたいですねー
朝ご飯は、これに焼き魚とご飯とお味噌汁とヨーグルト。
ちょっとさみしい内容でした。
でもトータル的に見ると、宿泊料金の割りには満足度の高いお宿でした。
今回平日泊まりで、その上キャンペーンをやっていた事もあり
1人13000円ちょっと。
おまけに語り部さんと行く熊野古道ツアーも無料で付いていて
プラス、一休のサービスで、夕食時のワンドリンクと、お土産付き。
総額5万ちょっとで、4人で泊まる事が出来たので
かなりお値打ちな旅になりました。
最近「一休」明らかに変わりましたね。
今までタイムセールで見かけなかったお宿
「アマネム」や「海のしょうげつ」まで割引してたし
先日一休から
旅費をクレジットカード払いにすると
今まで3%割引だったのが4月から5%引きになります
・・・と言うお知らせメールが届きました。
ランクにもよりますが、すべてのランクが
値引き率が上がってました。
利用者にしてみたら嬉しい傾向ですね。
熊野古道ツアーは、2日目の朝、参加者はフロントに9時集合。
宿のマイクロバスで、世界遺産の1つ「花の窪」の駐車場へ。
そこで、語り部さんと落ち合い、半日観光のスタートです。
「花の窟」は伊勢神宮に祭られている天照大御神の母
「いざなみのみこと」のお墓。
社殿はなく、この大きな岩が御神体。
1年に2度、10月2日と2月2日に、「お綱かけ神事」が行われ
この綱は神様と繋がる綱として、触るとご利益があるそうで
今回、しっかり触っておきました。
これも語り部さんが教えて下さったから知り得た知識で
もし自分達だけで見学していたら知らずに立ち去ったと思います。
その後、いよいよ熊野古道の登り口へ。
熊野古道はいろんなコースがあるのですが
今回は最もポピュラーで、初心者でも登りやすいという「松本峠コース」
最初のうちは急こう配の石段が続き
こんな道が永遠に続いたら、絶対歩けない~~~と
最初から弱音を吐いていましたが
語り部さんが、少し登ると止まって
熊野古道にまつわるいろんな話をして下さるので
そこで休憩が出来て、なんとか私でもついていけました。
語り部さんは76歳。
ほとんど毎日、この道を歩かれているそうです。
すごいですね~~(◎_◎;)
ちなみにダンナはハ~ハ~フ~フ~・・・最下位。
しかし、疲れました。。。
急激な地盤の隆起や強風
熊野灘の荒波によって作り出された奇岩地帯。
熊野の大自然が育んだ彫刻美「鬼ケ城」
まさにインスタ映えしそうな「丸山千枚田」
田植え後の緑の時期が一番キレイなんだそうです。
その年の豊作を祈願する「虫おくり」が毎年夏に行われ
棚田と同じ1340個の火が灯されるそうです。
一度見てみたいなぁ~
七里御浜沿いにそそり立つ巨大な獅子の形をした岩。
年に数回、この獅子の口に
太陽や月がちょうどうまく入る時があるそうで
そんな日は、カメラマンが殺到するそうです。
とにかく熊野はすごかった。
そこらじゅうに「世界遺産」があるんですもん。
世界遺産なんて2の次、3の次・・・なんて言って猛反省です。
なにを見ても、素晴らしく感動の連続でした。
いつも宿重視で観光はおまけでしたが
今回は観光重視で大正解!
熊野は三重県でも和歌山県に近いので
名古屋からは遠くて、まったく行く機会がなかったのですが
今回ダンナのお蔭で熊野を知る事が出来ました。
そういえば、帰ってから驚いた事がありました。
日頃歩いていない私達が、あんな山道を2時間も歩いたので
翌日はさぞかし足が筋肉痛で痛いだろうと覚悟していたのですが
なぜか私もダンナも全然まったくなんです。
ウソのように普段通りで。
歩き慣れていない私達夫婦が、山道を無事に歩けたのもしかり。
これって世界遺産のパワーを頂いたからかも・・・と
密かに思っています。