人の気持ちを最も考えない冷酷無慈悲なもの、それはなーんだ?と聞かれたら私なら真っ先にこう答える。
地球
そう、地球である。
え?ちょっと何言ってるかよく分からない。
さもありなん。
だって、地球は我ら人間を育ててくれる、宇宙上唯一(今のところはね)の星だ。
その母なる存在に対してなんと失礼なことを!
人によっては怒り出すかもしれない。
しかし、ではちょっとだけ想像力を働かせてほしい。
あなたにとって、とても悲しいことがあった日を思い出してみよう。
その日の自分は、もうこの世の終わりなくらいに落ち込んで、いっそのこと海にダイブしてやるくらい思っただろう。
その時、あなたのために時間は止まったか?
世界があなたの悲しみを癒すために、総理大臣が仕事を休み為替取引も停止しただろうか?
もっと身近な話でも、あなたを慰めるために会社が休みになったり電車が止まったりしただろうか?
そうである、自分が毎日何を思い何を感じ、5キロ太ろうが健康診断で要精密検査になろうが周りには一切関係ない。
地球は今日も安定して太陽を一周し、朝が来て夜になる。
もっと言えば、自分が悲しみの渦中にいるまさにその時に、別の誰かは最高の幸せを掴んでたりもする。
そう考えたら、随分楽になる。
SNSであの子が大活躍、それに比べて私は今日も地味に起きて地味に出社し地味に一日を終えた。
けど、地球はそんなこと構ってない。
ただし、実はどちらにもある、たったひとつの事実がある。
それは、どちらもいずれ必ず死ぬということ。
何十年も先かもしれないし1時間後かもしれない。
相手が自分より若いかそうでないかなんてのも関係ない。
自分よりも若くして命を失った人だって、決して少なくないのだから。
このようにして、生きることは全て、地球が作り出す時間というものに支配されている。
だから少しでも無駄なことをしないでいたいものだ。
地球はつくづく残酷だ。
私たちの気持ちの動きはもちろん、いつまで生きていられるかさえも考えてくれないのだから。