
重松 清 著 「定年ゴジラ」 講談社文庫

”定年退職からほぼ半月。会社勤めから解放された喜びや安堵感も薄れ、新生活への失望や落胆が襲ってくる頃だ。”なんて書いてあった。"幸せとは胸を張って語るのではなく苦笑いとともに唇からこぼれ落ちるもの"
これは、東京近郊のニュータウンに住む定年退職後の人々を描いたホームドラマである。若い頃、これは良しと思って移り住んだニュータンも、年老いてみてみると退屈な場所だった・・・。でも、三十代の作者が、父の世代を思って描いた作品らしい。作者にとっての父親は、老後の悲哀があっても前向きで、生き生きと描かれている。
このドラマの主人公たちは、私より一回りは年上の世代か。さて、退職後一年目の私はどうだ。写真は、数日前に写した写真。新緑の梢の向うのように、明るく希望のある日々では有りたいと思うが・・。