紀元前1027年、中国では殷(商)王朝が滅び、周に王権は移ったとされる。
これは、この時代の王朝やそれにかかわる臣下たちの話。
帝辛(受王)の暴政により、600年にのぼる、殷王朝の時代は終わる。
この小説では、殷の宰相であった箕子(きし)の話を最初と最後に持ってきている。
箕子は、良政を行ない暴君・受王を諌めるが聞きいれられず発狂して幽閉されてしまう。
武王が周をたてると、箕子は逃亡し箕子朝鮮を建てたとされている。
但し、これは中国の伝説であり、朝鮮民族はこれを認めていないらしい。なんと面白い!
帝辛は、遊牧の民を刈り集め、奴隷にしたり祭祀の際の生贄にしたりしていたとあるから、おぞましい!
この時代の風習は、現代からみれば想像を絶する。
世を憂う忠臣は退けられて、帝辛の暴君ぶりは改まらない。
妲己(だっき)やら太公望など、名前だけは聞いた事のある人が出てくるが、どんな人だったのだろう。
太公望については、やはり宮城谷昌光氏が長編小説をかいている。今度はそれをよんでみようか!
